※現パロ



「…お分かりいただけただろうか。右の女性の肩に注目してほしい。よく見ると悲しげな女の顔が…」
「ぎゃー!!!!」
「うえっ!こら!首締まる!わし死ぬ!窒息死する!!!」

金曜日の午後9時。カクと私は先週あたりから予告が流れていた心霊番組を観ている。怖い。ちょー怖い。もう観ない。目つぶってるもんね。ほーらこれで見えない。安全。完全勝利だ。

「ほれ、怖いシーン終わったぞ。目開けて大丈夫じゃ」
「ほんと?あー怖かったなんであんな…ってぎゃー!!!まだいるじゃん!!!」
「痛!!痛い!!ビンタは痛い!!」

ちなみに、週末に一度のペースでこうして私の家に遊びに来るカクと私はれっきとした友人である。はず。恋人ではない。のだが、どうも私たちの距離は男女間における友人関係のそれとは少し近いようだ。それでもカクはいい友だちだし、私もカクの良き友人である。はず。

「ほんとやめてよね、そうやって私の反応見て楽しむの」
「いやーあんまりいい反応するからつい」
「あ、お風呂沸いた」
「じゃあ先にわし入ってくる」
「えっやだやだ一人にしないで!」
「……しょうがないのう」

もう一つちなんでおくと、私たちが仲良くテレビを観ているのはベッドの上である。「男と女の間に友情は芽生えない」なんて言ったどこかのだれかさん、私たちを見ろ。こうして何事もなく友情が築けているではないか。

とは言っても、私とて普通の女の子なので、意識することもある。例えば、

「カク今日泊まっていくんでしょ?」
「おーいつも通り泊まるぞ」
「…なんかさ、週末に心霊番組観て、その間ずっと後ろから抱きしめられて、お泊まりするって、恋人みたいだよね」

こういうことを普通にやってのけるカクが少し分からなかったりするのだ。もしかして女の子みんなにこういうことしてるんじゃないだろうか。プレイボーイめ。

「え?だってわしら付き合っとるじゃろ」
「えっ」
「え?」



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