中学生設定
夢主が標準語なのは、小さい頃引っ越してきたとかそんなんじゃないかな
多分いろいろおかしい
細かいところにつっこまないでください











花宮若葉、というのが私の名前で、花宮楓、というのが私の妹の名前。
ちなみに双子。だけど全く似ていない。

あ、今の自己紹介です。


私の妹である楓ちゃんはなかなかに残念な女の子です。
いや別に楓ちゃんが残念の塊ってわけじゃない。むしろ容姿端麗成績優秀才色兼備。料理上手で性格も良し。クラスからの信頼も厚く、部活でも大活躍。何でもそつなくこなす優等生。
だけど残念。

どこが残念って、有り余る長所が唯一の欠点で潰されちゃってるタイプなところかな。
そしてその唯一の欠点が、『志摩廉造愛しすぎ』というものだから手に負えないところかな。

あの、端的に言うと、ヤンデレというかドSというか、


「れーんぞーーくーん。あーそびーましょーーー」

「いややぁああああ!!!」


蜘蛛片手に廉造を追いかけまわす楓ちゃんと、泣きながら逃げ回る廉造。

あ、ここ志摩家だよ。遊びに来てるよ。

バタバタと室内を走り回る音に、うるさいな、と思いながらお茶菓子の海苔せんべいをかじった。美味い。
『お姉ちゃん、いっしょに廉造君ち遊びに行こう』なんて誘われたからホイホイついてきちゃったらこの大惨事。
今日も元気に廉造を泣かす楓ちゃんなのでした。いやぁ、暇だからってホイホイついてきちゃいけなかったよね。
あんまり志摩家で騒いでいいものかなって思うけど、今日は人いないみたいだし、いいのかな。

とか言いながら私は傍観してるけどね。傍観者だけどね。
っていうかテレビ見てるからね。


「ちょ、2人がうるさくて音聞こえないんだけど」

「テレビなんかより助けてぇな若葉!」

「無理」


泣きながら私に助けを求める廉造。かわいいなぁ。
ケタケタ笑いながら廉造を追いかけまわしている楓ちゃん。こわいなぁ。
なんかもうホラーじゃん。病んでるじゃん。邪魔したら実の姉といえども何かされそうじゃん。

楓ちゃんはわざわざ我が家の縁の下にもぐってよりすぐりの蜘蛛捕まえて、志摩家まで持ってきて、こうやって廉造追いかけまわしている。
好きな子イジメたい小学生男子みたいな照れ隠しにしては、なんか、ちょっと、ねぇ?


「わたし、廉造君の悲鳴、すごく好きなの!」

「俺も楓みたいなかいらし女の子に追いかけられるのは好きやから、とにかく蜘蛛外にやってくれへん?」

「無理」


ついに楓ちゃんは廉造を部屋の角に追い込んだ。ここぞとばかりに、震える廉造に蜘蛛を近づけている。
楽しそう。楽しそうだよ楓ちゃんだけ。輝いているよ楓ちゃんだけ。
妹がこんなに歪んだ愛情を持っていたなんて、お姉ちゃん知らなかったよ。
「往生してしまいますうううう!!」という廉造の叫びのせいでさっきよりテレビの音が聞こえなくなったから、音量を上げようと思ったらテレビは終わってスタッフロール。
見ていたテレビというかDVDは、いつの間にか終盤だったらしい。全然集中できなかった。ていうかつまんなかった。

がりがりとせんべいをかじりながら、リモコンで操作してDVDを取り出す。
BGMは廉造の泣き声と楓ちゃんの笑い声。せんべい美味しいなぁ。


「廉造、本棚に隠してあったこのAVいまいちだったんだけど」

「何勝手に見とんのぉおお!?」


うん。相変わらず廉造は可愛いなぁ!





ヤンデレと変態を幼なじみに持った志摩君のお話





「演技わざとらしすぎて萎えた。
萎えた気分を盛り上げるために、廉造パンツ見せてよ」

「廉造君廉造君。ムカデと蛾だったらどっちが嫌い? 捕まえてきてあげる!」

「もう嫌やこんな幼なじみいいい!!」


花宮若葉、というのが私の名前で、花宮楓、というのが私の妹の名前。
ちなみに双子。だけど全く似ていない。

あぁでも、廉造大好きなところは、似てるかな。










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友人に頼まれたもの
ごめんね書くの遅くてごめんね










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