■ ▲
人の細胞は7年周期で変わるらしい。たった7年されど7年。暗殺部隊に入って何年たったかは覚えてない。しかし自分の歳は分かっている、つまりなにが言いたいのかと言うと
「腹減った」
「またぁ?さっき食べたばっかじゃん」
「お腹すいた」
「言い方変えたって同じです」
「ぐぅぅ」
「もういい年なんですから隊長もそういうことやめて仕事をしてください」
「なに?お前部下のくせに上司に説教たれんの?」
「わたしが尊敬していたベルさんとは今のベルさんとは違いますから」
しかし動けば腹もすくじゃあありませんか。ガサガサと棚を漁ってもなにがあるわけでもなく。はぁーとため息をついて片足をあげるとそこに銃弾が埋め込まれた
「なんの真似だお前」
「いやぁ、最近お太りになられた肉を削いであげようかと思いまして」
「……殺されたいの?」
「デブに殺されるほど弱くないですよ」
「まだBMI19だっての!」
「BMI気にする隊長なんて見たくありませんでした!」
ダンダンッと続けざまに打ち込まれる銃弾。もちろん当たることはないが確かに飛ぶ感覚はちょっと鈍ったような気もしなくはない。すぐに銃を蹴りあげれば案外簡単にそれは弾かれた
「よく動くブタっぷりですね」
「惚れそうだろ?」
「生憎わたし心に決めた男性がいるので」
まじ?と銃の音が重なる。それどっから出したんだよ。マジックみたいにぽんぽんだしやがって。戦場じゃ隙になるからもうちょい出し惜しみしろよ
「誰とは言ってくれないんですね」
「………誰」
「つれない人は嫌いです」
「誰かって聞いてんの」
オレが本気出したらマジで死んじゃうかもしれんからできないよなー最近就職率低いもんなオレの部隊。そりゃあばっこらばっこら死ぬのが悪いんだけれども
「痩せた隊長です」
「あ?なに?なんか言った?」
「……ありえませんね本当!!」
パンッ、おお、今のはちょっと危なかったかもしれない。脳天ぶち抜く気でいるのかこいつは。