長い | ナノ

うんともすんともいかない。同じクラスのベルフェゴールくんはキラキラした王子様で王子様なのにティアラをつけててわたしはこっそりそのティアラに似ているピンキーリングをこっそり忍ばせている。
だって王子様だし避けられたらもれなく死だしだったら見てるだけでいいっていうか何にも接点さえなけりゃ特として損ないっていうかでも女の子と話してると「ふんぬぁあぁぁあっ」てなるし、つまりはマジラブなのだ。


「いいんちょー」
「んっだぁ!」
「………?」
「(うはっ盛大に噛んだ)どうかしたの?(いやてか今の噛んだっていうかもう雄叫びみたいなきっしょきしょいよ自分)」
「先生プリント配れっつったんだけどなんか様式?わかん…」
「あぁ!うん配っとくよ!」


ちょん、指が少し触れただけでわたしは過剰すぎるほどに反応しプリントを全部ものの全部床にぶちまける。ベルフェゴールくんは今までにないくらいイラついた表情を見せながら「あーあーあー」とか小さく言いながらしゃがむ
ご、ごめんなさい。そんなつまんない言葉しかでなくってただ落としたプリントを拾う。盗み見てもイライラとした様子が分かり手に変な汗をかいてきた


「体調悪い?」
「えっいや全然」
「にしてもこの汗はやばいっしょ」


ピトリ、ベルフェゴールくんの萌え袖から出た白く冷たい手がわたしの手に絡み付く
え、なにがおきたんだ?今ベルフェゴールくんからではあるがわたしの体内から出たきったない分泌物が王子様の手にねっとりついていることになる「そらあかんよ!」とまぁわけのわからん使ったこともない方言が口から漏れる「なんかっちそれ」え、なに今王子なんつったかわいいんですけど!


「お前ってさぁ」
「はい!」
「本当オレ好きだよな」
「っぶっ!」
「きったね!」
「ごめ、いやベルフェゴールくんが変なこと言うから」
「てめぇ時々小声で王子の寝癖ぺろむしゃあとか言ってるだろ」
「え!?いや寝癖とかで思ったことは…あっ、他でも思ったことないよ!」


ぱさぱさぱさ。プリントをわたしの手に置く。今度落としたらぶち殺すオーラがやばい、なにか大変なことが起こっているのは分かってるけど頭がうまく働かずただどうにかプリントは配り終わった。はた、ベルフェゴールくんがわたしの前に立つ


「まぁ、オレに惚れたら苦労すると思うよ」


小指の第一関節に何故かわたしのピンキーリングを光らせ王子様は笑った

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