強くて儚い君へ

「…名前は?」
「アイツなら、今日は依頼が来たから部活来ないって言ってたけど。」
「…ッチ」
「今さらだが、お前はその他人の評価やらモチベーションを名前で決めるのはやめた方がいいぞ。」


本日、部活に名前さんは来ていません。
依頼が来たみたいで、そちらを優先して部活をお休みしました。
しかしながら、名前さんがお休みしただけで、冬哉くんとレンくんはあんなにも険悪な雰囲気になるんですね…。
険悪、というのは語弊があるかもしれませんね。
レンくんが一方的にイライラしているように見えます。


「別に?決めてねーし。それに、俺の個人的なことに口出さないでくれない?」
「口出ししたつもりはねーよ。少しアドバイスしただけだ。」


ああ、もう。
冬哉くんの一言はレンくんにのみ、逆効果をもたらすんですよ。
早く気づいてください。

険悪なムードに、周りが気づき始めてしまいました。


「二人とも、あんまり続けていると赤司くんに絞められますよ。」
「落ち着くっすよ二人とも!なまえっちに何て言われるかわからないっすよ?」


黄瀬くん、今回ばかりはナイスタイミングです。
黄瀬くんにレンくんを任せ、僕は冬哉くんと話を始めた。


「ごめん…名前のこととなって、俺もつい周りが見えなかった。」
「でしょうね。」
「けど、アイツは間違ってると思うんだ。他人の評価を自分ではなく別の人を物差しにして決めてるんだから。」
「けど、それが争う理由になるんですか?」



「「俺は、アイツを認めたくないんだよ!!!」」


冬哉くんの言葉と共に、レンくんからも同じ言葉が発せられる。
先程より更に険悪なムードになってしまった。
黄瀬くん曰く、冬哉くんは近くにいるだけで名前の迷惑、だそうだ。
僕らにとっては今二人とも迷惑です。


「巻き込まれ体質だからって、努力しない理由にはならない!
名前にお札貰うだけもらってすぐダメにするとか、ただ名前に迷惑かけたいだけだろ!!」
「名前とずっと一緒にいたからって価値観やら評価を名前で決めていい訳じゃねぇんだよ!
大体お前のそれは名前に自分の価値観押し付けてるだけだろ!!」
「別にすべてにおいてそうしてるわけじゃねぇし!?」
「努力してないなんて、見てないくせによく言えるな!!!」


「「名前は強くねぇんだよ!!!」」


つまり言えば、二人とも名前さんが大好きなんですね。
名前さんのために争うというのは、それだけ彼女が想われている証拠と言いますか。

でも、わかります。
彼女は強い。
けれど、最強であるわけではない。
そう、彼女も儚い存在なのだから。

さて、そろそろおしまいの時間ですかね、二人とも。






強くて儚い君へ






「こーら!ちょっと早く帰ってきてみれば、争いか!
お前らほんと懲りないな。また俺の事か?」
「「名前!!」」
「喧嘩はほどほどにな?」










あとがき

随分と時間がかかってしまい申し訳ありません!
途中までかいてしばらく時間が空いてしまっているので、
内容がぐちゃぐちゃかもしれません!
手直しなどあればお伝えください!
リクエストありがとうございました!






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -