首を絞められた。
情事の最中の事だった。
シーザー。呼んだつもりだけれど、声が出ているのかどうかはわからなかった。

「***」

荒い息遣いの中で私の名を呼ぶシーザーが、愛おしくて、それから、ひどく憎らしかった。

「苦、し」

痛みと快楽とが綯い交ぜになる中、ぼやける視界の端に、ほくそ笑むような顔をしたシーザーが見えた。
ねえ今の。
苦しいって、聞こえたでしょう?

「俺が好きだろう、***」

そんなの愚問以外の何でもない。
私の答えなんてわかっている癖に、そうやってわざわざ聞いてくるあなたがやっぱり憎たらしい。

私は黙ったまま、彼の背中にそっと爪を立てた。


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