「喜べ***、ついに出来たぞ」
ノックもせず部屋に入って来たシーザーに***は一瞥をくれただけで、またすぐに手元にある読みかけの資料に視線を移した。
「なあに、また変な薬?」
「変とは何だ!今回のは凄いぞ」
チェストに凭れる***の側にシーザーが寄ってきて、鼻息を荒くしてそう言った。
「へえ、そう」
正直、全く興味はないが放って置くのもまた面倒なので、仕方なくどんな効能があるのか聞いてやることにした。
「よく聞け。この薬はな、人体のある一定の部位の成長を著しく促進させることが出来る」
「ふーん」
だから何だというのだ。
話を聞いてみたところでやはり興味はそそられなかった。
「これをだ***、お前が飲む」
「何で私が」
「するとどうだ!お前が気にしている、その貧相な乳が、やっと人並み以上に大きくなぐふぅっ」
言い終わるより先に***の拳がシーザーの鳩尾に入っていた。
「出て行ってくれる?」
「待て、待ってくれ***」
「この角へし折られたくなかったら早く出て行ってちょうだい」
うずくまったシーザーの角を掴み部屋から追い出すと、すぐに***は内側から鍵を掛けた。
外から戸を叩く音と名前を呼ぶ声が続いていたが、聞かないことにした。
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