人魚姫


トクン、トクンと
心臓がうるさく響く

血液を体に巡らせる
ポンプは今、平時より忙しく動く

目の前には愛おしい人
愛くるしい人
決して、手放したくない人

一方私は愛おしい方の願いを
なんでも叶えたくなる
恋に溺れた人魚姫

私が人魚姫なら

貴方は幸せを運ぶ王子様?

それとも

私を泡にさせる魔法使い?

どっちでも構わないわ

たとえ
私を溺れたままにしようと

声を失ってしまっても

悲しい思いをして泡になってしまおうと

根底には必ず貴方が居る


ドキドキ トクトク バクバク

高鳴る心臓は置いといて

今は目の前の王子様に惚れておくわ

そしてきっと私にキスを落とした後

悪い魔法使いの用になってしまうの

わかっているわそんなこと。



だから

今は

どうかしてた。

そんな一言で片づけていいから


今日だけは

私からキスさせてください

私が

貴方に出来る

精一杯の主張なのだから




好きにさせて

そして

好きで居させて




大好きです


さ、キスをしてもいいかしら?







-End-

 

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