「はい、これで治療は終わりだよ」

「ありがとうございました!」

「次は怪我しないように気をつけてね」


今は四時限目も終わりお昼休みに入った。とあるクラスの子が体育で怪我をしてしまったそうで簡単に手当てをしたところ。その生徒と入れ違いに三人の女子生徒が入ってくる。


「結衣先生ー!」

「こんにちは、結衣先生」

「おじゃまします」


最初に元気よく入ってきた子は神楽ちゃん。次に入ってきた子が妙ちゃん。最後に入って子が九ちゃん。三人とも3Zの生徒だ。


「こんにちは。今日はどうしたの?」

「私たち、結衣先生と一緒にお昼ご飯食べたいアル!」

「私と?いいよ」


生徒に誘われるなんて嬉しい。すぐに承諾すれば、神楽ちゃんがやったー!と跳び跳ねた。










外の日に当たる場所に移動して、さっそく各自食べ始める。


「結衣先生はお弁当なんですね」

「美味しそうアル!」

「ありがとう。うん、時々食堂とかだけど、大抵はお弁当かな。みんないつも自分で作ってるの?」

「私は購買ネ!」

「僕は家の者が作ってます」


神楽ちゃんはパン、九ちゃんは高そうなお弁当をそれぞれ食べている。


「私は新ちゃんが作ってます」

「新八君が?」

「ええ。何故かいつも作らせてくれないんですよ、危ないからって。子供じゃないのに」


そういえば妙ちゃんが作る料理はみな暗黒物質になると誰かが言っていた気がする。危ないってそういう意味なのかな…。


「そうだ、みんなに聞きたいことがあるんだけど…」


少しだけ声を潜めてそう切り出すと三人とも真剣な趣になってくれる。聞きたいこと、というのは先ほど起きたことについてだ。


「最近の男の子って、けっこう軽い感じで…キ、キスしてくるの…?」

「…結衣先生、何があったアルか?」

「べ、別に、私に何かあったとか、そういうのじゃないって!」

「そうなんですか?是非聞かせて下さい」

「だから違うってば!」


流石は年頃の女の子。こういう話にすぐに食いついてきた。


「結衣先生、誰かとしたんですか?」

「き、九ちゃんまで…」

「あ!もしかして、銀八アルか!?」

「な、何でそこで坂田先生が出てくるの!?」

「だって、二人とも仲いいネ」

「そそそ、そんなんじゃないよッ…」


私たち、そんな風にみられてたなんて…!…しばらく坂田先生と距離置いた方がいいんじゃ…。


「ふふっ、神楽ちゃん、結衣先生をいじめすぎよ」

「だって、先生の反応が面白いアル」

「それは僕も同感だ」

「もう…恥ずかしい…」


これでは質問の答えは聞けそうにない。私の身がもたなそうだ。やっぱり女の子はみんな恋愛の話が好きなんだな、と思った。






一部の女子生徒から付き合ってるのではないかと噂される二人( 〃▽〃)

20120502

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