頭ん中、お前ばっかなんだけど(1/1)
先日、新八君と神楽ちゃんのおかげで晴れて付き合うことになった私と銀ちゃん。
あの時は銀ちゃんの様子がいつもとおかしくて病気かもと騒いだけど、今ではそれも解決してる――はずだった。
最近また様子が変だ。前みたいにぼーっとしてる。
でも今回は少しだけ違う。
「…………」
実は私は今料理中なんだけど、後ろから銀ちゃんの視線がスゴい。
そう、今回は悩んでぼーっとしてるというより、私の方をじーっと見つめているのだ。
神楽ちゃん曰く、銀ちゃんは私のことをずっとみていたいらしい。
私の後ろ姿みてても全然楽しくないと思うんだけどな…。
なんか恥ずかしい。顔に熱が集まって料理どころじゃなくなってきた。
「あ、あの…銀ちゃん」
「んー?」
「あんまり見られると、恥ずかしいよ…」
「名前は恥ずかしがり屋だなぁ」
違うって!誰だってそんな凝視されたら恥ずかしいよ!!
「名前」
名前を呼ばれたので振り返ってみる。
「なに、銀ちゃ――わぁっ!?」
「んな驚くなよ…」
いつの間にか私の真後ろにきていて、その距離に驚けば銀ちゃんの苦笑いが返ってくる。
「俺に見られんの嫌か?」
「そ、そういう訳じゃないよ!…なんか、銀ちゃんがそう言うとイヤらしく聞こえるね」
「どういう意味だよ、それ」
だって、そう聞こえるもん。
「兎に角、恥ずかしいの!」
「無理」
即答!?な、なんで…。
こっちも恥ずかしくて限界だよ…。
「いいじゃねぇか、減るもんじゃねぇんだし。
こっちだってよ…頭ん中、お前ばっかなんだけど」
「な……」
どうしよう、私の顔は今までにないくらい真っ赤に違いない。
「そんな赤くなんなよ、こっちが恥ずかしくなるじゃねぇか…」
「銀ちゃんのせいでしょっ!うぅ…」
銀ちゃんの大きな手が私の頭をわしわしと撫でてくる。
そんな銀ちゃんの頬も少し赤くなってるから照れ隠しかな?
もっと真っ赤になって欲しいな…なんて、思ってみたり。
「銀ちゃん」
「ん?」
「私も、頭の中銀ちゃんでいっぱいだよ…」
そう言って軽く頬にキスしてみる。
「な…おまっ…!?」
案の定、銀ちゃんは更に真っ赤になった。
もっとも、私の顔も真っ赤なんだろうけどね。
短かった…。
夢主ちゃんは、照れ屋な割りに思い立ったらすぐ行動する子
お題:確かに恋だったさん
20120323
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