身体の側面に触れる女性特有の柔らかさが両端から皮膚に、内の肉に訪れては圧迫されて思わず身じろいだ。入浴後に着用していたパジャマは遠く、ベッドの下でくしゃくしゃのまま鎮座している。だからって、身に何も纏っていないわけではなくて、殆ど裸体に近い身体には抵抗かのように下着だけを着けていた。両脇の人物達は、深みのある笑みで、意地悪そうにこちらを凝視していて。


「上じょー、やっぱ胸でけぇーな。祈ぐらいか?」
「私たち、胸はあるほうだと思うけど。あら、柔らかい…」
「ちょ、え?え、えっ」


ーー何が何だか。祈さんが持ち上げるように胸を触る物だから思わず腕を交差して遮った。少しだけ空間が開き、身体が僅かに傾いた。回避が仇となる。祈さんから逃れるべく反応した身体は斗南さんの方へ。にやっと、男らしいその顔付きにさえ綺麗だと思う。しかし、近くなり過ぎたその唇が耳の窪みを舐めるものだからそんな呑気な事は消え去った。

「ひゃっ!!やめっ!斗南さ、」

唇で耳殻を食まれる。跳ねるように再度回避して、見たのはにんまりと笑う祈さんで、胸をくっ付けるように身体は密接に。鎖骨に唇を押し当てられては避けるように仰け反る。逃げ場がない。足さえ、前から後ろから四本の脚に絡め取られて、動かせば咎めるように押さえつけられている。逸れた背にぬめった物が上から下へと滑った瞬間、目の前の祈さんへしがみつく。奇声に近い、嬌声にも近い。頬が赤く照り付けられているのか、ただ熱い。

「上条さん、かわいい…」
「ふ、っ…なん、で」
「ア?身体の発育検査にキマってンだろ、」
「あなたの身体いやらしいわよ」
「ま、って…」

発育検査だと妙に正論な理由のように付け加えた斗南さんは、歪に腰元を撫でては擽るよう嫌らしく背へ唇と舌を滑らしている。話す度に当たる吐息にさえ声が漏れそうになり、どこまでも敏感になりつつある身体は悩めかしい。

「なんか、エロい。前から見てるとヤバイかも」

祈さんはそう言うと熱の篭った瞳で私を見ていた。はぁ、と出した息は熱く、伏せた目が睫毛の影を作る。その視線の先は胸元に、誘われるまま方房へ唇を落とした。



「かわいい、」
「上じょー、声。…おさえるな」
「ここがいいの?」
「こんなにしちまって…」











「って夢を見てしまったの!ゆかり、どうしたらいいと思う?」
「いや、先輩…。まず、恋人にそういうこと言いますか?」



腕を引いたゆかりは歩き出す。まだ休み時間だから午後の講義はあるけれど。もう何も言わなくなってしまったゆかりは隠す気もないようで、明らかに背から怒気が立ち上っている。怒っている。この後のことはどうしようかしら、なんて思っても迫るリミットまで時間は無くて。最近ご無沙汰で、お預けだったその行為への期待感を、その気になった年下の恋人に気付かれずに小さく笑みを浮かべた。








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