You Copy?



『海行きたいよね〜』



何気ない私の独り言に、その場にいた全員の目線がこっちへ向けられた









『いやぁ…まさか本当に海に行くとはね。今何月だと思ってんだか』



大きめのバックを抱き締めて広大な海を眺める

ことの発端は三成と見ていたアルバム。昔の写真眺めながら兄さん(秀吉さん)の素晴らしさについて語っていたんだ

最後に行き着いたのは去年、兄さんと一緒にタケちゃんのプライベートビーチ(金持ちチクショー)に遊びに行った時の写真。そして冒頭に至る



「雪子様…半兵衛様の許可をとらずに入ってよろしいのですか?」

『平気よ、タケちゃんだもの。海は誰のものでもないし』

「雪子の言う通りだ!細かいこと言うんじゃねぇよっ」



そして海に行くと決めた日から、元親のテンションは非常に高かった。次いで元就さん。彼もさっきからソワソワしている

さすがは海賊と水軍を率いた将。海が恋しかったのか…来て正解だった



『水着は着てきたから大丈夫ですね。今日一日はご自由にどうぞ』

「佐助っ!!!どちらが遠くまで泳げるか競争だ!」

「え〜、俺様は遠慮しとく」

「海なんざそうそう入らねぇからな…今日はのんびりVacationといくか」

「ならば某と…!」

「競争しねぇよ」



みんな各々で行動を始めている。小太郎くんは拝借したパラソルを立て、大谷さんはシートに座り成り行きを見守っていた

時季は違うけどせっかくの海。私も入りますか



『…てわけで、よいしょ』

「「「「「「「!!!?」」」」」」」

『…………あれ?』



着ていた上着を脱ぎ捨て水着にチェンジ…したら、みんなが私を凝視したまま固まってしまった

えぇー…そんなに見られても困るよ、貧相な体なのに




「…………は…」

『?』

「は、はは破廉恥でござバシィィィンっ!!!!

『いったぁっ!!!?』

「貴様は何をしておる阿呆っ!!!!」



真田くんの叫びは元就さんと私によって掻き消された!

チョップらしからぬ盛大な音と共に、私の脳天には最高記録の激痛が走った。痛みで震えながら見上げれば…日焼けしたように真っ赤な元就さんの顔



「血迷うたかっ!!!無作為に着物を脱ぐでないわ痴女めっ!!!」

『ち、痴女ってなんですか!これは水着と言って、下着じゃないですよっ』

「え、姫さん、下着と水着の違いが解らないんだけど」



所詮はビキニ。各々で反応は違っているが一部予想通りの動きをみせてくれている

真田くんは佐助さんに目を塞がれて震えており、三成は持っていた荷物をすべて落として固まっていた。政宗さんはニヤニヤと笑っていらっしゃるヤメテクダサイ



「て、テメェ…まさかそれで海に入る気か?」

『そうですよ片倉さん。そのための水着です』

「なに平然と答えてんだテメェはっ!!!」

「はよう何か羽織らぬかっ!!恥体を晒すでないわっ!!!」

『えぇー…』



まさかの片倉さんまで加わって説教モードですか。私の前に立ってグチグチと文句を言っているけれど…二人とも目線は他所を向いていた

そんなことされると私まで照れるのですが



「別にいいじゃねぇか、雪子も平気なんだしよ。下着じゃねぇんだろ?」

「貴様は黙っておれ長曾我部…!」

『…小太郎くん、これはまずいかな?』

「…………(フルフルッ)」

『小太郎くんも平気だと言ってます。郷に従うべきですよ、皆さん』

「・・・・・」



私の水着を見てコレなんだ。真夏の海へ行ってたなら…ああ、ダメだ。今度グラビアでも買って練習させよう



「やれ雪子、せめて海へ入らぬ間は羽織っておれ。三成が動けぬ」

『は、はぁ…じゃあ上着は着ときます』

「…………ハッ!」

『あ。気がついた』





→続く


mae tugi

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