▼ Love For Life〜一生大好き、愛してる〜番外編(彼女視点)
(彼女視点)
猛の手が私の頬に触れて、髪を優しく梳くように撫でる感触がとても気持ち良くて、目を閉じている間に猛のどんな表情も、仕種も見逃したくなくて。
今この瞬間に、あなたという存在が私の心を満たすから。
どうか…消えたりしないで―。
目の前に私を見下ろす猛の顔。
恥ずかしくて仕方がないはずなのに、目を閉じる事が出来なくて、彼の近づいて来る顔を凝視してしまった。
「…あのさぁ…そんなにじっと見詰められたら、なんかテレるんだけど…」
鼻先が触れるくらいの距離で、吐息もかかるくらい近くで、猛が少し困った顔をしながら発した言葉に、おもわず視線を泳がせてしまった。
「…ご、ごめんなさい。あの…」
まともに猛の目が見れなくて、顔を逸らせば。
頬にちゅっと、軽めのキスをされてこめかみ辺りに唇が触れた。
「……どした?」
優しく、柔らかい声音で囁くように問いかけてくるから…じわりと目頭が熱くなる。どうにも猛の前だと、涙腺が緩みがちで困ってしまう。
「…消えたり、しないよね…今こうして一緒にいるのに、こんなに触れられる距離にいるのに、気が付いたら一瞬で消えて無くなっちゃうんじゃないかって…目を閉じて、開けるのが怖い…の。」
自分でも何を言いたいのかわからなくなって…絶え間無く流れる涙に、猛は困ったように苦笑いをしながら、それでも優しく何度もキスを繰り返してくれた。
「消えたりするわけないって。言ったじゃん、一生愛してるってさ。」
啄むようなキスが、突然貪るような深いモノに変わるから、反射的にぎゅっと目を閉じてしまった。
さまよう私の手を握ってくれて、絡まる指に力をこめられれば彼の温度を確かめるように、逃がさないように…握り返す。
そうして、何度も角度を変えながら私の思考を奪うくらいの熱い口づけをされる。
どうしよう―。
これだけで、私の身体は熱をもって心臓は早鐘のように鳴り響いてくる。
唇が離れて、閉じていた目を恐る恐る開けば…
優しい眼差しで私を見詰める猛に、胸が疼く。
溢れてくる切なくて愛おしい気持ちを。
どう伝えたらいいんだろう。
「…………好、き」
「……ん?…うん」
「……大好き…」
「…ハハッ…うん。」
「……愛してます。」
言葉にしても…まだ伝えきれない気がして、涙がぽろぽろと落ちてくるの。
猛が急にベットから身体を起こして、私の全部をすっぽりと抱きしめた。
熱を持った2人の肌が密着するから、耳元の猛の心臓の鼓動が早くなるのがわかった。
「…俺の方が、めちゃくちゃ愛してる。」
《共鳴する鼓動》
2人の心が、想いが熱い肌と心臓から溢れてくるようで、ただただ抱きしめあった―。
[ prev / next ]