「美人な亡者を拷問した時、やっぱエッチな気分になるものなのですか?」


「は?」


現世にはSMプレイなるものがあると聞いたことがある。現世に限らず、そういった性癖の人は確かに存在している。
ふと、衆合地獄の視察帰りに鬼灯様に尋ねると鬼灯様はきょとんとされた。


「私は仕事は仕事で切り替わるタイプなのでそんな風に思ったことはありませんね。ですがたまに、そういった獄卒の方もいらっしゃいますよ?嬉々として仕事に励んでくださるので助かります」


現世ではそういったことを無理に行うと地獄に落とされるわけだが、地獄の住人はそのタブーを平気で行えるなんて不公平だ。頬を膨らませると鬼灯様は私の頭を撫でた。


「私たちだって死んだら同じ目にあうかもしれませんよ?来世は人間かもしれませんし」


「そうでしょうか?」


鬼の死を、私はまだ見たことがない。死んだらどうなるのか、本当に私たち鬼にも来世があるのだろうか。


「もし来世があるのならば、来世も鬼灯様のおそばにいることをお許しください」


「もちろんです」


いつか死が二人を分かつ時が来るまで、たとえ死が私たちの仲を引き裂こうとも、私はいつまでも鬼灯様をお慕いしております。







[私が想うのは貴方だけ、また逢う日を楽しみに]







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