ご褒美






「はーッ…疲れた…。
銀さん死んじゃう〜」


仕事から帰った銀時は倒れるようにソファに寝っ転がった。


『最近仕事の依頼多かったからね…』


私は基本的に掃除や料理等の家事担当だから、依頼に関しては特に何もしない。
たまにお登勢さんの店を手伝っているが、ここ最近の銀時の忙しさに比べたら楽なものだ。


「だろ〜?銀さん頑張ってるだろ〜?」


甘えるような目でこちらを見てくるが、銀時が喜びそうなものを私は持っていない。


『頑張ってるけど、甘いものはだめだからね。お医者さんに怒られちゃうんだから』


「チッ…チョコストロベリーパフェは無しかよ…」


『ソレ高いやつじゃん!』


血糖値高いし、値段も高いし、とてもではないがそんなものを与えるわけにはいかない。

新八君がいたら、もっとちゃんとツッこんでくれるだろうな…なんで今日休んでんだろ?


「アレ?神楽は?何処行ったんだよあいつ…。
銀さん帰ったってのによ〜!」


なんだか銀時の様子がおかしい。なんかいつもと違う。
まるで駄々っ子だ。

だがあまり気にしない事にして、返事をする。


『定春の散歩行ったよ。…つか床で寝るな』


「やだ。もう銀さん動けない」


『せめて和室で寝てよ』


「やだー」


ハァ…、と息を吐いた。


『どうしたの?』


ソファから床に寝転がった銀時の隣にしゃがみ込み、頭をなでる。
ふわふわの髪が心地いい。


「ん、」


銀時は私の膝をぐいぐいと床に押し付ける。
座れ、ということだろうか。

されるがままに正座すれば、待ってましたと言わんばかりの笑顔で膝に頭を乗せられてしまった。


『ちょっと…銀時。私まだ仕事が、』


洗濯物を畳み終わっていないというのに、拘束されてしまった。


「んだよ…だめ?」


だめ、なんて甘えた声を使って下から覗き込むのはいくらなんでも反則ではないか。

仕方ないな、なんて言いながらも私もちょっとまんざらでもなかったりして。


『すこしだけだからね』


「ああ」












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