『骸さん!』
「え・・・?」
『お誕生日、おめでとうございます!』

ふわりと目の前の紫円さんが笑って、パーンと軽快な音が鳴り響く。そして降り注いだのは、薄い紙。ああこれはクラッカーか、と再確認して僕の前で立っている紫円さんを見上げる。

ふとカレンダーの日付を見ると、今日は6月9日。・・・あ、僕の誕生日でしたか。
すっかり忘れていました。もともと誕生日などには興味が無いもので、今までは千種や犬がお祝いしてくれましたがやはり自分では覚えられないものですね。

『はい、プレゼントです!』
「あ、ありがとうございます」

差し出されたのはネクタイ。
・・・日本とかでは、これは旦那さんや父に送るものではないでしょうか。でも色合いや刺繍がとても僕好みです。
紫円さんは少し天然なところがあるから、こういったものを旦那さんに送るなどという発想は無かったのでしょう
思わずくすりと笑みがこぼれました


『はい!あとケーキです!』


ちょ、チョコレートケーキ・・・!それも紫円さんの手作り!
と、とてもおいしそうです。僕ののどがこくりと音を立てました


『お誕生日おめでとう骸さん!生まれてきてくれてありがとう!』


そう言って笑った紫円さんを感激のあまり抱きしめた
まったく、なんてかわいいことをするんでしょうッ・・・!


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骸さんがクフフって言ってないよこんなの絶対おかしいよ!



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