長谷部さん

「疲れた…」

審神者部屋というところのソファーにダイブした。

「一日お疲れ様です!」

「おーありがとう。」

こんのすけは俺の腰辺りを一生懸命踏んでくれてる。めっちゃ気持ちいい。

「みんな足速いんだな。」

鬼ごっこすることになって鬼が俺と一期一振だったんだが、子どもたちの足が速すぎて捕まえられなかったぞ。一期一振は笑顔だったけど。

「あの方達は短刀と言って機動数値が高いんです!」

「へぇー。」

少しナメてたな。

「機動力が素晴らしい打刀もいますよ!このようにそれぞれ用途が違ってきて…」

またこんのすけの長い説明を受けた。今度は聞き流さないようにがんばった。


「…俺の知らないことばっかだな。」

覚えてるか不安だけど。まず審神者って何をすればいいかわからない。

「これから知っていけばいいのですよ!」

「…そうだな。」

こんのすけって新人とは思えないほど頼もしい。

「あ、主。」

襖の向こう側から俺を呼ぶ声がする。

「…?」

襖を開けると正座をしている人がいた。

「…え。ど、どうした?」

なんでここに正座してるんだ。俺は何も言ってない。

「えぇっと、確か…にっかり長谷部?だっけ?」

「へし切長谷部ですっ!」

すごい勢いで顔を上げた。

「す、すまん。」

不思議な名前が多いからな。間違ってしまった。

「あ、いや…俺に謝らないでください…!」

…ん?

「わ、わかった。…それで俺に何か用か?」

へし切長谷部と向き合うように正座した。なぜかそれに驚いている。

…んん?



「主命をください。」

…んんん?!

「何を言ってんだ、へし切長谷部は。」

何がどうしてこうなった。

「…主、」

「……。」

俺なんかマズいこと言ったか。なんでそんな悲しそうな顔をすんだよ。

「俺が頼りないからか…」

ボソッと囁いた。

「違うぞ!」

急に出た大きな声にこんのすけとへし切長谷部は目を見開く。

「そんなに命令がほしいのか?」

「…はい。」

背筋を伸ばした。ちょっと待て。主命待ちっておかしいだろ。俺は人に命令するのは嫌いなんだ。


「じ、自由に過ごせ…」

「主命とあら……え?」

へし切長谷部は固まって動かなくなった。

prev / back / next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -