奇跡?

勢いよく襖を開けた。

「清光ッ!何があっ…た…」

「あ、主!」

俺の見間違いか?


「なんで人増えてんの…?」

俺が目にしたのは広間にたくさんの人が騒いでる光景だった。

「あああ!貴方が次の主ですかっ?!」

「狐が二匹ー!」

「鳴狐ー!お助けをー!」

「審神者さまーっ!」

「騒がしいな。」

「賑やかで爺は嬉しいぞ。」



「…どういうこと?」

何が起こった?それよりもうるさすぎ。

「私もさっぱり…」

「急に光が放ってさ、」

「目を開けたらみんながいた!」

ますますわからなくなってるぞ。

「とにかく、こんのすけ…って、大丈夫か?!」

「わたくし…もう無理でございま…」

女の子のような子どもに尻尾を持たれ振り回されていた。

「こら、乱!いけませんよ!」

「おお。」

「…はぁーい。」

「あ、すまんな。」

こんのすけを俺のところに渡しに来てくれた。

「助かりましたっ!」

俺の服をしっかりと掴んで離れなくなった。

「んで、こうなった理由がわかるか?」

急に増えるとか意味わからない。

「…わたくしの予想ですが…」
「あんた、わからないのかっ?!」

「え。」

全身真っ白なやつが俺の目の前に現れた。

「ちょっと近いな離れようか。」

鼻の先10センチほどしか間がない。だからといって俺から離れたら負けた感じがする。

それは嫌だ。


「あんた…すごいんだな!あんたの霊力、知らない間に受け取ってたぜ!驚いた!」

俺の手を握った。

「…ん?」

「俺!鶴丸国永だ!」

握った手をブンブンと振った。

「あ、どうも…」

「広間に運ばれたときは温かい空気に包まれてのぉ…」

控えめに笑う姿が美しいという言葉を連想させるこの人。

それはただ単に空気が悪かっただけじゃ。

「楽しそうな声が聞こえて僕もその輪に入りたいって思ったんだ!」

眼帯の人が言った。え、聞こえてたの。

「極めつけはあれだよなー。」


「加州さんとの修羅場っ!」

「「「ねーっ!!」」」

背の低い子たちが仲良さそうに声を合わせる。

「えへへ…主っ!」

加州清光は俺の服の裾を掴んだ。鶴丸国永に両手を塞がれてるから何もできねぇ。

「一旦離れよう。」

「嫌だなっ!」

でっけー子どもみたい。

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