嫌いだ大嫌いだ早く失せて俺の視界から消え去って。幾千の拒絶の言葉を吐いてみる。心の中でも頭の中でも口でも。けれど男はいつも高慢にそれを嘲笑う。愉快そうに、あるいは酷く心地よさそうに。俺に屈辱的な行為を強いてるこいつはきっとSなんだろうとか思うが、そのときだけはその考えを改めたりする。まあ、どちらでもいいのだ。結局のところ男は赤の他人でそれ以上でもそれ以下でもない。
自分を所有者だとかいう男の頭はきっとおかしい。きっとじゃない。確信だ。その頭のおかしい所有者様は俺が拒絶すればするほど俺を激しく抱く。力強い律動とか、本当は気持ちいいとかそんなこと。少しだけ思ってしまう俺は、きっと頭のおかしい所有者さまに触発されたんだろう。