・巷で噂の軍服エンドを妄想で書いてみた



高嶺の花。アキラの噂を聞くときはこの言葉も同時に聞く。ストイックさが逆に淫らだと、中堅の兵士たちは話していたのを思い出す。その兵士たちの言うことは否定しない。むしろ正しい。誰より俺の命令をよく聞き、誰より規律を重んじる。頭が堅いだけかと思えば戦闘能力も高いほうだ。加えてあの美貌。欲情するな、というほうが無理な話である。


今日も廊下を歩いていると兵士たちの声が聞こえた。最近兵に入ったばかりの新人たちだ。奴らもまた、恍惚の表情でアキラのことを話していた。


「アキラさまは本当に美しい。血なまぐさい戦場でさえ輝く」

「そうだな。あのストイックさもいい。あれほどきっちり軍服を着られると・・なぁ?」

「ああ。・・そういえばさっきアキラ様は執務室で書類の整頓をしてたよな」

「おい、もしかして・・」

「もう2、3人連れて行こうぜ。アキラ様でもこっちは5人だ」


こうなることはわかっていた。誰も彼もがあれに惹かれる。それは自分は男になど惚れない、同性愛は気持ち悪いと言っていた者たちでさえ例外ではない。この前アキラにしつこく言い寄った挙句手を出したため、正当防衛として骨を幾つか折られた男たちも行動に出るまではこんな会話をしていたのだろうか。


「何をしている」

「!?そ、総帥・・っ」

「・・・・あれに手を出せばどうなるかわかっているな」

「は、はい!申し訳ございません!」

「失せろ」


吐き捨てると、男たちはぎこちない歩き方で廊下の端へと消えた。その入れ違いで、今度は逆側から噂の的が現れる。俺の視線をしっかりと受け止めたアキラは俺の目の前で歩みを止める。


「総帥、こんなところで何を?」

「・・・・・・。今夜、部屋へ来い」


最近は互いに忙しく、身体を繋げることはおろか睡眠さえままならない状況だ。抜く時間もないだろうから溜まっているに違いない。耳元で低く囁くと、白い頬がほんのり赤く染まる。その初な反応も愛らしい。


「―はい」


誰も彼もが夢見る高嶺の花、アキラ。彼の痴態を知っているのは世界で唯一、俺だけだ。


END.
シキかっこいいです。PCのENDでは2番が好き・・ですが実際プレイしたことないです。PS2では3番が好き。