「シーズちゃん」


廊下を歩いていたら、背中ちくりとした痛み。ああまたか。


「やっぱりシズちゃん刺さないなーつまんない」


臨也は俺の背中に刺さってるだろうナイフを抜き取って、今度は抱きついてきた。もうこいつは、本当。


「うぜえ」

「あは、褒め言葉」

「・・・・嫌いだ、お前なんか」

「うん。俺もシズちゃん嫌いー」


楽しげに言いながらも、俺の後をついてくる臨也。
コイツは俺が嫌いなはずだ。なのにコイツは俺の後をついてくる。コイツの行動は不可解だ。


「じゃあついてくるな」

「やだ。俺がついてまわることで、シズちゃんを不快にさせようっていう精神的ダメージを狙ってるから」

「・・・・・・」


コイツは馬鹿だ。
これが精神的ダメージになるなんてありえないのに。


END.