朝から続く酷い欝。今ならシズちゃんだって愛せそう。
つまりはそれくらい欝なのだ。


「臨也さん」

「・・・・なに」

「重いです」

「・・・・おれ平均より軽いよ」


知ってます、だから圧し掛からないで下さい。そんな帝人くんの静かな抑制の言葉はスルーする。あれ、スルーするってダジャレ?


「・・さむ、」

「あれ、声に出してた?」

「思いっきり」


それは恥ずかしい。けれど帝人くんのおかげで少しだけ心が軽くなった気がする。あくまで一時的だけど。


「臨也さんって一言多いですよね」

「情報屋だから」

「ああ、なるほど」


あれ反応薄い。曖昧に、適当に答えたのに帝人くんはやけにあっさりと返してきた。
今日は全体的に反応が薄い気がする。言葉数が少ない感じ。どうしてだろう。


「なに怒ってるの?俺が欝だから」

「全然違います。怒ってませんし」

「そういうとこ怒ってるように見える」

「それは残念です。僕は怒ってません」

「・・じゃあ妬いてる?」

「そうですね」


さらりとあかされた告白。驚きだ、でも何に彼は嫉妬なんてしてるんだ。
その答えは、またもさらりと彼の口から出てきた。


「欝状態の臨也さんに愛されてる静雄さんに」

「・・・・ナニソレ。変なやきもち」

「・・・・。変で結構です」

「うん、変。でも好きだよ君のそういうところ」


ええ、僕も。呟いた帝人くんの言葉が愛しくて、彼を抱きしめる力を少しだけ強くした。


END.
ほのぼの帝臨。・・ほのぼの?