・義務教育を終えていない方は観覧をお控え下さい





静雄が指を引き抜くと、臨也の身体はびくりと跳ね、白濁を吐き出す。酸素を求めて喘ぐ魚のように口を大きく上けて息を整える臨也の様子など無視して身体を乗り出した静雄はふと、何かを思い出したように動きを止めた。


「……どしたの?」

「……………」


臨也の声など耳に入っていないかのように静雄は臨也を拘束していた手をほどき、何かを探しに行った。置いていかれた臨也は不思議そうな顔で、火照った身体を隠すようにシーツを頭まで被り得意の思考なんかをしてみる。

静雄と彼がいわゆる体の関係を持つようになったのはおよそ1年前からだ。路地裏でたまたま会った二人は、一歩早く動いた静雄が臨也の腕を掴んで組み伏せ日頃の復讐だと言わんばかりに――犯した。乱暴なそれはまさに強姦と呼ぶに相応しい。以降、静雄は臨也を見るたびに路地裏に連れ込んでは身体を繋げるという行為を繰り返すようになり、次第に二人は外ではなくお互いの家やホテルでやるようになった。

懐かしいなあ、と臨也は頬を少しだけ緩めた。微笑ましい思い出には程遠い記憶に、しかし臨也は愛でるかのようにふふ、と笑んだ。1年前の自分が彼との今の関係を知ればどんなに驚くのだろう、と。

そう思案しているうちに、臨也を隠していたシーツが捲られる。戻ってきた静雄の手には苺が数粒、握られている。
手にした苺を潰さないようにしながら静雄はベッドに入り、臨也自身を握り上下に扱きながら例えるなら年少の子供のような無邪気さと愉悦の滲んだ声で、言う。


「俺やってみてぇことがあるんだ」

「んぅ……は、何…?」

「苺入れたらどうなるんだろうな…」


言うと同時、少しだけ慣らしておいた後孔に何かひんやりしたものが入れられる。それが何かはすぐに気がついた。先程の苺だ。苺はじゅぶりと潰れたような音を響かせる。


「やぁ……あっめ…た……っ!」

「…あーくそ。中に入る前に潰れちまった」


そう言って第2郡を入れてくる。先程よりは小さいそれらはしかし柔らかいため、入り口へ入ったはいいが侵入の初めで潰れた。
中で潰れた苺が出てくるのがわかる。気持ち悪い、と臨也は内心毒を吐く。


「シズちゃ…やだ、ぁ」

「うるせえ」


静雄は一向にやめる気配など見せずに数を変えて、或いは今より小さい苺で、と色々と試している。ああこれではきっと自分の言葉など聞いてくれないだろうな、と気づかれぬようにこっそりと溜め息。

(こんな独りよがりの関係、いつになったら終わるんだろうな)

終わる日はきっと、どちらかが絶命する日。


臨也の喘ぎ声に反応するように、部屋の片隅に置いてある水槽の中にいた蒼と黄色の熱帯魚が酸素を吐き出した。



END.
といさま、リクエスト有難う御座いました!^^