「・・ん、・・む、ぅん・・っ」


沖田に主導権を握られている。その事実は私を酷くいらつかせた。
逃げているのに執拗に追ってくる沖田の舌が疎ましくて唇を噛んでやる。微かに血の味がすると共に、沖田は私を放した。


「・・ってー」

「がっつきすぎヨ。銀ちゃんみたいに大人の余裕を醸し出してほしいものネ」

「・・・・またかィ。・・旦那と比べるなんて酷い女だ」


沖田が何かを小さく呟く。聞こえないように呟いたんだろうけど生憎ばっちり聞き取れた。何が酷い女、だ。失礼な奴。


「それより銀ちゃんは飲みに行ったんダロ?だったら万事屋行くアル」

「へいへい、っと」


***


沖田とのセックスは、一言で言うなら執拗だ。
覚えたての高校生男子のようにがっついてくる。それはそれで愛されてるみたいでいいけど、やっぱり大人の余裕みたいなのが欲しい。例えば、銀ちゃんのように。


「もう我慢できねえ・・・」

「待って、息が・・・、・・あ、んぅ!」


中から指を抜いたと思うと、いきなり挿入。息を整える暇もなく、動かされる腰。沖田のこういうところが嫌。けれど相性はいい。どんなに沖田の余裕のなさが嫌いでもちゃんと快楽は得られるから嫌になる。


「ひゃ・・ァアア、ん、・・っぅ」


初めから容赦のない律動。堪えようのない快楽に、思わず声が上がる。
これが銀ちゃんみたいに余裕と優しさがあったらどんなにいいか。いつもそう言えば違いを見せ付けてくるかのように激しく求める沖田は、どうしようもなく愚かに見える。


「あぁ……!?ちょ、・・んっ」

「俺以外のことを考えるなんて、許せねえ」

「この・・・ぁう、っぼ・・暴く・・・っ」


ちょっと考え事をしていた。それだけで更に激しさを増す律動。
私たちの関係は所謂「セフレ」だ。それなのにどうして沖田に命令されなきゃいけないんだろう。私にはどうしても理解できなかった。