ピリオド

  • since 12/06/19
 六月に結婚する花嫁は幸せになれる、だなんて迷信であるにしても験を担ぐに越したことはないと式の日程は決められた。サンダルフォンは其れほど、乗り気ではなかった。そもそも挙式自体、必要だろうかと思う程だった。今の時代、式を挙げないカップルは珍しくはない。サンダルフォンはルシフェルが、挙式に関して、披露宴に関して乗り気であることが、少しだけ、否、思いのほか、意外だった。もっとも、ルシフェルの社会的地位を考えれば当然なのかもしれない。
 試着室から出て来たサンダルフォンを見たルシフェルは似合っている。と笑みを浮かべて言った。

「ああ、迷ってしまうな……うん、申し訳ないが先ほどのドレスを持ってきてくれないだろうか。それとこのカタログにあるドレスを」
「畏まりました」

 ルシフェルの言葉にスタッフはにこやかに対応する。サンダルフォンは小さく息を漏らした。乗り気ではないものの、ルシフェルが意欲的なものだから、それならばと、サンダルフォンも協力する。とはいえ、ドレスの試着はそれなりに体力を使う。朝から着替え続けたサンダルフォンの体力は限界だった。
 ここまで積極的な、寧ろ主体となる新郎は珍しいようで、サンダルフォンの試着を手伝うスタッフはルシフェルの美貌を讃えながら、素敵な旦那様ですねと言うものだから、サンダルフォンはそういえば、旦那様なのかと当たり前の真実を突き付けられて、もごもごと口をまごつかせた。スタッフが微笑ましそうな視線を向けたのを鏡越しに察したサンダルフォンは顔に血液が集まるのを感じた。
 ああでもない、こうでもない、と難航したドレス選びは、結局、決まらずに終わった。次回の予約をいれる、ルシフェルが運転する車で、サンダルフォンは帰宅した。二人の新居──ではなく、実家である。
 玄関に飾られた家族写真は、サンダルフォンが十代半ばの頃のものだ。微笑む両親と照れくさそうなサンダルフォン、そして仕方なさそうな兄の姿。数少ない、そして、最後の家族写真。写真を撮って間もなくして、両親は事故で亡くなった。それから十年余り、兄と二人で暮らしてきた。
 明かりの点いたリビングに顔を出して、声を掛ける。

「ただいま」
「なんだ、帰って来たのか」
「当たり前だろ。夕飯は食べたのか?」
「……嗚呼」
「嘘」

 どうしてわかり切った嘘を吐くのだろうと思いながら、確信を持って否定する。唯一の家族は、兄は、不快そうな顔をしながらも黙りこくった。信念があるわけでもなく、面倒臭いというだけで、此方が気に掛けなければ、一日一食の生活を続ける兄が、サンダルフォンは心配であり心残りだった。
 荷物を置いたサンダルフォンは冷蔵庫の中身を見る。朝から手つかずのようだった。いつものこと、とはいえ心配になるのは仕方ないことだ。いつぞやのように殺し合う中ではない。禍根は既にない。サンダルフォンにとっては、かもしれない。
 サンダルフォンは兄に、ルシファーに、あまり、良く思われていないことをとっくの昔に自覚していた。
 元々ルシファーにとって、サンダルフォンという存在は良いものではなかった。彼自身に言われた。ノイズと切り捨てられた。今更その言葉に傷つくほど繊細ではない。血を分けた兄妹だからと仲良しこよしを強いるほどに、ルシファーを兄と慕っているわけではない。それでも、サンダルフォンは家族という繋がりを捨て去ることが出来ない。
 出来上がった食事を、ルシファーは黙々と食べる。言えば食べるけれど、言わなければ食べないというのは如何なものかとサンダルフォンは思いながら、指摘することはしない。残り僅かな、家族の時間に嫌な空気を持ちこみたくなかった。
 食事を終えたルシファーが席を立つ。その後ろ姿にサンダルフォンは声を掛けようとして、止めた。これからルシファーは大丈夫だろうか、とルシファーが知れば不愉快になるだろう心配を寄せる。しかし、──お前に心配をされ程落ちぶれていない。それよりもルシフェルに捨てられないようにな。と鼻で笑う姿が目に浮かんだ。言いそうだ。そう思うと、怒りよりも安心感を覚える。そのくらいに、ルシファーの罵倒には慣れていた。そんな兄を慕ってはいないが、感謝している。だってルシフェルと再会できたのは、ルシファーのお陰と言ってもよいのだ。
 学生時代のルシファーはサンダルフォンのことを忘れて、研究室に泊まり込むことが多かった。何を研究しているのかサンダルフォンにはさっぱりであったが、学生でありながら学者に混じって学会に顔を出し、論文誌に掲載されるほどに有名だった。
 サンダルフォンは、両親のいない淋しさを感じてはいたものの長年の経験もあって、独りには慣れていた。とはいえ、着替えだとか食事だとか、兄に対して心配はしていたから、研究室を訪ねることが度々あった。その時に、ルシフェルと再会したのだ。学内では有名であるルシフェルもまた、かつてと変わらぬように、ルシファーに接して、交友を深めた。かつての死因であることと、友であることは別であるというのが、ルシフェルらしいと、サンダルフォンは自分を棚に上げて思った。それからルシフェルとの付き合いが始まり、結婚に至る。まさか自分がルシフェルと交際するとは思いもしなかった。そして、まさかの結婚である。人間として、女として生まれたとはいえ、サンダルフォンは自身が結婚するヴィジョンを今の今まで描いたことが無かった。それどころか、結婚する当事者となった今ですら、夢心地というか、実感がなかった。
 とはいえ、流石に式の当日ともなれば別である。いよいよ結婚するのだと実感がわいた。

「眉間の皺」

 扉の前で、サンダルフォンは隣の兄に注意する。反応はない。眼を瞑っているだけだ。一向に眉間からは皺が消えない。気難しい顔のまま。サンダルフォンは溜息を吐きたくなった。だけど吐けば喧嘩する。サンダルフォンが、一方的に。だから耐えた。それに、兄が出席するだけではなく、共にバージンロードを歩く役をするだけ、御の字であるのだ。多くを望んではならない。もっともルシファーにとっては、ルシフェルの相手が自分であることは不本意でならないことなのだろうと、サンダルフォンは察している。
 口だしすることはなかったにしても、ルシフェルとの交際を喜ばれたことはない。結婚するといっても、口にされなかったにしても、不満はあったのだろう。
 ルシファーにとって、今世でこそ血を分けたという立場は、それでもルシフェルの存在に至らない。至ろうとも思わないものの、ほんの少しだけ、淋しさを抱く程度に、サンダルフォンはルシファーに心を砕いていた。
 二十数年は、数千年の恐怖も恨みも怒りも、覆っていた。
 スタッフが扉を開ける。バージンロードの先にはルシフェルが緊張した面持ちで、けれども、小さな笑みを浮かべて待っている。荘厳な音楽のもと、一歩を、踏み出した。

「御目出度くなさそうだね」
「目出度たい? おまえの頭の話しか?」

 鼻で笑うルシファーに、ベリアルは肩をすくめる。
 ベリアルは義理として、出席したに過ぎない。これでも、日常社会に溶け込む程度の常識は弁えている。それから、興味本位だ。こちらこそが本命である。主役たる新郎新婦を差し置いて、ルシファーの反応を見るためだけに、出席したのだ。
 挙式では、バージンロードを歩く新婦よりもルシファーに視線を奪われた。なんせちっとも目出度さの欠片もない。背筋がぞくぞくと震えた。神という存在への怒りを胸の底で沸々と煮えたぎらせていた姿以上に、その眼には怒りの炎が揺らいでいた。新郎であるルシフェルのことを視線だけで殺すんじゃないかとわくわくとしたものである。
 大丈夫? ちゃんと、サンダルフォンを渡せる? とハプニングを期待したものの、ルシファーは役割を全うした。しかしその後、お決まりのように誓いの口づけを交わす二人に対してはふるふると震えていた。勿論、怒りで、である。その震えを感動に打たれたのだと生温い視線が注がれるから尚の事、いったんは落ち着いたような怒りの炎はガソリンを投下されたように轟々と燃え上がるのを、斜め後ろの席にいたベリアルはにこやかな笑みの下でひしひしと感じていた。
 挙式を終えて、プログラムは披露宴に移った。血縁者の少ない新郎新婦の関係者席は一固めにされていた。その中に新郎の従兄弟としてベリアルが、新婦の兄としてルシファーが席を有していた。
 新婦の友人が少々と、殆どは新郎の会社関係者が多くを占めている。殆どは挙式には無かった顔ぶれである。まあルシフェルが代表を務める会社の規模を考えれば妥当な所だとベリアルは新婦の着替えを待ちながら考える。
 ルシフェルは、元々、披露宴には乗り気ではなかったのだ。昔からルシフェルは変わらない。今でも変わらない。宝物を隠したがる。研究所の奥深い部屋に。立入禁止に指定した中庭に。誰にも触れさせようとはしない。けれども今では立場が許さない。ならばと思い切り、サンダルフォンを飾らせようと切り替えるあたり、人間味が出来たのかもしれない。どちらにせよ、ベリアルの興味は専ら、ルシファーに注がれた。
 ルシファーによって作られたルシフェルが、その性質を引き継いでいたのか。はたまたルシフェルの性質がルシファーに感染したのか。どちらにせよ、二人は似通っていたことに相違ない。
 サンダルフォンの存在をベリアルは知らないでいた。それは、ルシフェルも同様である。ルシファーは知っていた、なんせ妹だからだ。ルシフェルは別にしてもベリアルに存在を教えない謂れはない。何だったら、ベリアルを隠れ蓑にすることをルシファーが考えないわけがなかったのだ。だというのに、ルシファーはベリアルにすらサンダルフォンの存在を隠し通した。自分は信用に足りないのかと嘆くよりも、そのルシファーの選択に、ルシファーは震えた、あの、ルシファーがルシフェルよりも優先した。それも、ルシフェルにとって不要だからというかつてのような親心にも似た独占欲ではない。一心に、ルシファーのシスターコンプレックスに他ならない。面白いのが拗らせたシスターコンプレックスがサンダルフォンに伝わっていないところだ。サンダルフォンはルシファーがこの結婚を喜んでいないと知っている。そしてその理由が自身にあると思い込んでいる。当事者にしてはシリアスであっても、傍目からはコメディでしかない。ルシファーにしては、妹であるサンダルフォンの結婚相手がルシフェルであることが、不愉快でならないのだ。それどころか、誰であっても変わらない。サンダルフォンの結婚相手というだけで、不愉快な存在になるのだ。
 証拠に、ルシフェルに対するルシファーは頑固おやじそのものである。

「サンダルフォンと結婚すれば、君は兄になるのか」
「詰まらない冗談は止めろ」
「冗談ではないのだが……」
「結婚? ……お前と、サンダルフォンが?」

 あり得ないことだとルシファーは鼻で笑うがルシフェルは至って真剣そのものだった。

「私以外にいない。それに付き合っているのだから、そういった話はでる」
「まだ早い」
「そうだろうか?」

 そもそもルシフェルとサンダルフォンが付き合うことすら、ルシファーは承服しかねている。
 会話を聞いていたベリアルは内心でルシフェルに同意した。それから、少しだけ口を挟んでしまった。ぎろりと、ルシファーの視線が刺さった。

「お前とサンディ、付き合ってどれだけ経つんだっけ?」
「3年になる」
「たった3年で結婚? 笑わせるな」
「なら君が考える交際期間は?」
「……10年」
「うける。サンディ婚期逃してるし、そもそも10年だったら事実婚じゃないか」

 渋々と期間を告げたルシファーにベリアルは揶揄うように言えば、ルシファーは呆れたように、

「馬鹿。事実婚は居住を共にすることが条件だ」
「……え、10年だったら普通一緒に暮らしてるもんだろ」
「俺がアレにそんなこと、許すと考えているのか」
「いやいや……ファーさんに何の権限があるのさ」
「俺はアレの兄だ」
「可哀想なサンディ! なんだったらも門限もありそう」
「あるよ」

 ベリアルがいくら何でもというように言えば、事もなくルシフェルが首肯した。流石のベリアルもぎょっと目を丸くしてルシファーを見る。ルシファーは気にした素振りも無くそれが何かと言わんばかりだ。

「サンダルフォンは19時までに帰らないといけない」
「18時だったんだがな。アレも頑固で聞かん。アレのどこがいいんだ、お前は……」

 ぶつぶつとルシファーは思い出したように文句を言う。頑固なのはどっちなのだかと言いたくなるのをベリアルは堪えた。寧ろ門限を守っているサンダルフォンを偉いとすら思っている。

「……学生だっけ?」
「いや社会人だ」
「あー……泊りとかしたことなさそう」
「そんなの許すか。外泊禁止は当然だ」
「いや許してやれよ、そこは……サンディってもしかして……いや、なんでもない」

 もしかして、ヴァージン。言いかけた言葉はすんでのところでのみこんだ。ルシフェルがにこやかにしていたのも気がかりであったが、知りたくはない。嘘。けれどもルシファーの前で聞き出すほど無粋では無いしまだ死にたくはなかった。
 それから間もなくして、ルシフェルがサンダルフォンにプロポーズをしたことを知った。どうやらあれは探り入れであったらしい。正式に、サンダルフォンの恋人として、サンダルフォンの兄としてのルシファーに挨拶をした話を、サンダルフォンから聞き出した。サンダルフォンは別に普通だったが、と言ったものの少しだけ参ったように、

「あれから機嫌が悪い。余程、結婚するのが『サンダルフォン』であるということが、不満らしい」

 と愚痴をなんだか、嘆きなんだかをこぼしたのだがら、そのすれ違いっぷりったらない。思わず面食らえば、何を勘違いしたのか分かってるさと勝手に得心している。なんにもわかっちゃいない。
 まあすれ違ったところで、今の今まで問題なく兄妹関係が築けていたのだから問題はないのだろう。ルシフェルとの関係は知った事ではないし巻き込まれたくはない。もっともそちらにしても、勝手に雨降って地固まるのがルシフェルとサンダルフォンの関係である。
 ルシファーの拗らせた溺愛っぷりを思い出していると、どうやら新婦のお色直しが終ったようだった。司会がアナウンスをする。新郎新婦の入場です! その声にBGMが変わる。新婦であるサンダルフォンは深い赤色のドレスを纏っていた。気恥ずかしそうに新郎であるルシフェルと並び、入場する。パチパチと拍手をしながらちらりと横目でルシファーを見る。据わった目をしていた。拍手はしていなかった。
 粛々と披露宴が進む。
 二人の馴れ初めだとか、学生時代の友人のスピーチだとか、ありきたりのプログラムだ。ルシファーはむすっとした顔で拍手をすることもなく、置物のように席に座るだけである。

──こうなることは、分かっていた。

 ルシファーが生を受けてから暫くして、妹として生まれたサンダルフォン。愛らしいと思ったことは一度として無い。それはお互いさまである。兄として慕われたことはない。血のつながった他人。互いに忌まわしい過去を記憶しているからなのか、淡泊に映ったのだろう兄妹関係を両親から心配はされたが、その距離が互いの妥協点であった。その両親も亡くなった。あれがどうなろうが知ったことではない。好きに結婚でもなんでも、してしまえ。むすっとした顔のルシファーは新郎新婦がテーブルを廻っているときにでも、変わらず不愛想に、祝いの気持ちは微塵もない。血縁者席に廻って来た新郎新婦──新婦はむしろ驚いていた。あれだけ不機嫌不満たらたらの姿だったのだから、帰ったのだろうと思い込んでいた。あるいは、途中退席でもするのかと考えていたから、披露宴の終盤に差し掛かる今でも席に座る兄の姿をまじまじと見てしまう。そんな花嫁に、花婿は笑みを向けた。ぶすりと不機嫌な気配を感じ取ったのはベリアルである。

「おめでとう、二人とも」
「ありがとう、ベリアル」
「……ありがとう」

 にこやかなルシフェルと、気恥ずかしそうなサンダルフォンを見るとベリアルも何だかむずむずとした気持ちになった。柄にもないと分かっていながら、長年の知り合いなだけに、ベリアルとしても感慨深いものである。隣ではルシファーが相変わらず、頑固おやじを体現したかのように腕組をして黙りこくっていた。苦笑するサンダルフォンは、良いのかいと声を掛けるルシフェルに首肯して席へと戻っていた。
 そしていよいよ、披露宴の最後のプログラムとして新婦から家族への手紙とアナウンスされたときに、それまで一切の反応を見せることのなかったルシファーが肩を震わせた。ぎゅっと顰め、瞑っていた目を開ける。最早睨みつけるような視線を受けながら、立ち上がった新婦であるサンダルフォンは、照れくさそうに手紙を取り出す。それから差し出されたマイクを手に取った。

「兄さんへ──」

 読み上げる第一声で、ルシファーは顔をしかめた。
 ありきたりな内容だ。馬鹿馬鹿しい。そう、言い聞かせる。腕組をしていた手に力を込めながら。顔に力を入れながら。
 手紙を読む声は時折詰まっていた。会場からも、雰囲気に呑まれたのか、感動からなのか鼻をすする音がそこかしこから聞こえた。その度に夫となる男が、気遣わし気に視線を向ける。それすら、気に食わない。不快でならない。

──嗚呼、くそ。

 ルシファーがルシファーとして生まれたように、サンダルフォンはサンダルフォンとして生まれた。だから、わかり切っていたことだった。サンダルフォンはきっとルシフェルの隣にいってしまう。知っていたことだった。理解していた。ルシフェルが画策したところで無駄でしかなかった。サンダルフォンの存在を隠した。決してルシフェルにだけはと思ったところで、全てが運命であるかのように、ルシフェルとサンダルフォンは結婚に至った。
 交際条件の門限も外泊禁止令も、ルシファーは無駄な足掻きだと自覚していた。けれども縋る気持ちであった。サンダルフォンと結婚すれば面倒臭い小舅がついてくるのだ。その程度、ルシフェルにとってはどうってことないと知りながらも圧をかけ続けた。結果として無駄でしかなかった。空いている日はないかと緊張した面持ちのサンダルフォンに声を掛けられたとき、一瞬でこの日のことが過ったのだ。ルシフェルのことは、認めている。それでも、別問題だった。ちっとも理性的ではない馬鹿馬鹿しい感情が、ルシフェルを否定する。あの、ルシフェルを他でもない自分が拒絶している。ああ悔しい。けれどもその拒絶こそが、否定こそが決定づけた。

「──今までありがとう」

 泣きじゃくるのを我慢する声に、言葉に、ルシファーの怒りで塗り固めていた堤防は、とうとう決壊した。顔を片手で覆ったルシファーが力が抜けたように崩れ落ちた。ちょっとファーさん、小声で声を掛けるベリアルの声は嗚咽で聞こえない。
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