世界はそれを愛と呼ぶ






あー、くそ。もう日常生活のひとつとなっている、朝っぱらから追い掛け回される、ということが今日もまたあり、出勤途中だというのにもかかわらず逆にガレーラから遠くなってしまった。とりあえずすこし物陰にかくれ「ん?なにしてんの?」早速みつかったー!



「ってあやね?びっくりすんじゃねェか!」


「いやいや、結構普通に現われたよ。今日も忙しそうだね。」


「うるせェ!ところであやねは何してんだ?」



軽い感じで聞いただけなのに、やけにあたふたしだした。そういえば、もう仕事はじめてても全然おかしくない時間。むしろ、皆はもうはじめているだろう。もしかして、と目を向けるとごめんなさい。と案外素直な答えが返ってきた。



「ちょっと、ばたんきゅーしちゃいまして…」


「冬なのにか?」


「うっ…」



それから少し黙って、またごめんなさい。といったあやねは、前をむいたかとおもえば、あー!!と声をあげたあと、大変!!とこちらをみた。



「パウリー!借金とり!」


「あぶねェ逃げるぞ!」


「今出たほうが、危ないよ!隠れて隠れて!」



ぎゅうぎゅうとあやねがおすから、俺は奥に追いやられて、2人の距離がせばまった。



「あやね、少し離れろ。」


「え?」


「だから少し離れろ。」


「なーんーでー」


「いいから。」


「いいじゃん、いいじゃん。」


「……。」


「ケチー」



あやねは頬を膨らませ、しぶしぶながらも、少し離れてくれた。
なんで、と問うような上目使いに少し体温が上がる。ああ、もう、あのなあ!



「お前がひっつくと暑くなるんだよ!」


「冬なのに?」


「ああ!」


「ハレンチな格好じゃないのに?」


「ああ!!それとルッチやカクと話してんのもいらつく!」


「…それは簡単なことだよ!」


はてなをうかべる俺にちゃんと分かるように。自分自身はその言葉を噛み締めるように、あやねはゆっくりとこの言葉を発言したのだ。



世界はそれをと呼ぶ


目の前にある少女の顔が赤みを帯びたとき、少女から放されたその言葉がゆったりと脳に届き、同様に男の顔も赤く染まった。








素敵な縄企画、PPP様に提出!
ありがとうございました(^O^)




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