▼6.夢のような夢




※赤毛のみx周目(死んでは最初からやり直しループの世界)
 赤毛リバと言うか百合っぽい




最初は隣の街にいる時、微かに感じる引き合う感覚で会っていた。でも今はそれ以上の繋がりを得たから、こうして呼ぶことも出来た。

『アッシュ、アッシュ』
『……、っ、ふん…なんだ』
『あ、わりぃ。戦闘中だったか』
『今終わったところだ』
『怪我ないか?』
『…ない。そう簡単にへばったりしねぇよ』
『うん。わかってる』

アッシュの目から映し出されるアッシュの体に、アッシュのものと思われる血の跡はなくルークは一安心する。何周してきたかわからない二人はそんじょそこらの敵に負けることはないが、いつもころりと死んでしまうからとくにルークはアッシュが怪我をして死んでしまうのではと言う不安にいつも煽られる。

『どこにいる?こっちはケセドニアだけど』
『解っている。一時間くらいになるが、行く』
『うんわかった。待ってる』

声にならない会話を楽しみながらアッシュを待つ。そのままの感情がぶつかってくる回線での会話は普通の会話以上に話しやすかったし盛り上がる。互いとだけしか出来ない、誰にも邪魔されないからだった。
まだ髪も長く比較的ワガママを演じる状態で、会えるのは遠くなると思っていたがこの間イオンが拐われてついたケセドニアで、後でザオ遺跡で会えると楽しみでしかたがなかった。そうルークがアッシュに言うと、アッシュからも俺も早く会いたかったと返ってきた。通じ会う心にどちらともなく笑みを溢した。

コツコツと窓を叩く音を聞いてルークは窓を開ける。夜の冷えた砂漠から来たアッシュは鼻先を少し赤くしながらも冷え込んだ様子ではなかった。

「アッシュ」
「ん…入るぞ」
「うん。血、流せよ」
「ああ」

きぃと窓を閉めて迎い入れたアッシュをルークは風呂へと促す。サイドの留め具をルークが外してアッシュが脱ぐ。ルークがベルトを外してアッシュがまた脱ぐ。そうしてすぐにアッシュは下着姿となって、最後に下着をルークに渡して風呂へ向かった。ルークはアッシュが風呂に入ったのを確認してからまず下着と中シャツを洗濯機に入れ法衣を濡れたタオルで拭く。元々黒と赤の深い色でつくられている法衣はすぐに血の跡を滲ませた。のちに自分の予備の下着とシャツを出して脱衣場に置き、洗濯機の中の物を待つ。そしてぐるぐると回る衣類を見つめている間に大抵アッシュは脱衣場から顔を除かせるのである。

「…毎回このぴらぴらしたのは止めろと言っているだろ」
「だって俺ボクサー嫌いだし?」
「スースーするだろ」
「ボクサーきついじゃん」
「…」
「…この会話何回目だっけ」
「知らん」

バスタオルでわしゃわしゃと髪を拭きながらベッドへと落ち着くアッシュを見、ピーといった音でルークは洗濯機へ向かう。中身を取り出して適当なところに干してからベッドへと戻る。

「アッシュ、久しぶり…」
「…ああ。」
「ちょっと早く会えたな。工場であの後大丈夫だったか?」
「当たり前だ。お前こそ眼鏡にやけに絡まれたりしてないか。ヴァンが寄ってきたりだとか……」
「大丈夫だって!今回は何もなさそうだし」
「ん…そうか…」

どちらともなく近づき、肩を寄せて頬を擦り合わせる。全く同じ鼓動と風呂上がりによる少し違った体温がくすぐったくて、互いに擦り寄った。

「アッシュあつい…」
「ん…風呂入ったしな。お前は少し冷えてる…」
「あっためて?…時間ないかな」
「俺は大丈夫だが…」
「俺は明日寝坊する予定だけど」
「なら大丈夫か」

指を絡ませて軽く口付けを交わす。それは段々と深くなり、お互いに強く手を握る。息が苦しくなると名残惜しげに糸をひいて頬や額に唇を寄せた。絡めた指をゆるゆると動かし、すっかり同じになった体温に満足感を感じて口許を綻ぼした。

「はぁ…」
「ん…。…眠い…」
「じゃあ、寝るか…俺もあったかくなったし」
「そうだな…温かい。生きてるな…」
「まだ今回は始まったばかりだ。まだ、死ねないから」
「俺も、まだ死ぬには早いな…」
「うん…死ぬなよ、アッシュ」
「お前もだ。…ルーク。」

片方はへにゃりと笑って、もう片方はタオルを枕にしき毛布を翻して横になった。残された片方は追うように毛布をかぶり向かい合うようにして目を閉じた。


おやすみなさい。
これからも良い夢を見続けられますように






13.11.29





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