※ガイルク、ガイ←アシュ、ヴァンアシュ
アッシュターン(?)なのでガイルク薄いです
「よっしゃ終わった!じゃなティア!!」
ホームルームが終わると一目散に職員室へ駆けてゆく片割れの声が廊下中に響いた。相変わらず煩い。俺とルークは相変わらずクラスを離されているので家にいる時の様に迂闊に注意もできない。しかもこの後俺は生徒会があるので職員室にも行けない。それもいつもの事で、帰ってからいつものように怒鳴り付けることにしよう。今日も今日とて少し感じる嫉妬心に苛立つ。
ルークが職員室に頻繁に行くのは、何を隠そうガイがいるからだ。ガイとは家が近く幼いころからの馴染みで仲もよかった。ガイがいるからと、ルークは学力を上げわざわざこの学校に入ったものだ。俺もガイのことは嫌いではなく、ルークと同じようにとまではいかないがよく甘えたものだ。
でも、ルークの好きは一般と違い、またガイもルークに同じ感情を持っていた。中学の頃に、二人が付き合っている事を知り゙男同士でなんがと言った覚えがある。それでも二人はだからなんだと言った。それからルークはよくガイのところに泊まるようになり、俺はひとりごちた。心にはもやもやが残った。
自己推測して自分を嘲笑う。簡単なことだ。自分もガイを好きで、ルークがうらやましかった。そんなことは今より前から知っている。一緒に帰らないように生徒会にまで入って。
生徒会室にいてもいつもする事は同じで、後輩が顔を覗かせたり、先輩がサボりにくるぐらいだ。今は体育祭が近く、書類のコピーをしたりとまぁ、それぐらいか。ルークと同じクラスのティアは書記だった。
「アッシュ?」
「…悪い、なんだ」
「会長が今日休みらしいの。代わりにヴァン先生にこれ持っていってくれない?私はまだ残りがあるから…」
「わかった。よこせ」
「…そういうところはルークと似てるわね。はい」
「あいつと一緒にするな」
纏めてホッチキスしてある書類を受け取って、早々と生徒会室を後にする。途中3年の女生徒が寄ってきたりしたが散らして避けた。自分が女だったらガイも自分を見るかとふと思い、自己嫌悪した。そもそもあいつは女に近寄れない。そんなことを考えている内に職員室について、気は重いがドアをノックした。
「…失礼します、ヴァン先生いますか」
「ヴァン先生?まだクラスじゃないですか?いませんよ」
「そうですか。失礼しました」
ぱたん。ヴァンはガイと違い受け持っているクラスがある。まだ授業が終わってないと…。いつもなら俺が教室を出る時間には廊下で見かけるのだが。とりあえず引き返すわけにもいかないので、ヴァン受け持ちのクラスを訪問。
「あ…、ホームルームはもう終わったのでヴァン先生なら職員室じゃ…」
後輩は半ばびくびくしていたがそれはいつものことで。確かあいつは社会科だから資料室にでもいるだろう。…どうしてこんなに回り道してんだ。ぶつぶつと不満を漏らしながら資料室までいくも、ヴァンはいなく諦めて俺は生徒会室に逆戻りすることにした。時間が無駄になった。前を見ずに歩いてると誰か自分より大きな人に衝突した。鼻が痛ぇ。
「アッシュ」
「すいま…ヴァン!」
「探したぞアッシュ…」
「それはこっちの台詞だ!お前どこに」
「こっちに来なさいアッシュ」
急に口を塞がれて近くの空き教室に連れ込まれた。ヴァンは自分より一回りも大きくて抵抗なんてする前に床に押し付けられた。打ち付けた頭と背中が痛い。一瞬息が詰まるも、バラけた書類の音もろもろで自我を取り戻しやっと抵抗した。
「げほっ、は、いきなり何しやがる…!離せ!」
「……」
俺の話なんか聞かないで手を拘束してネクタイを引っ張ってくるヴァン。顔が近い。少し緊張が走ったがそんなのおかまないなしに抵抗した。すると解けたネクタイから覗いたワイシャツのボタンを上から2つ外して、首に口を寄せてきた。…気持ち悪い。
「っやめ…、いっ!!っつぅ…!」
首に、激痛と言う程ではないが、それなりの痛みがはしる。噛まれた、としか考えられない。本能がやばいと感じ、こいつにボディは効かないから少し自由な足で思いっきり股間を狙って振り上げた。
流石にやばかったのか俺から離れて声なくうずくまってしまい少し同情する。けど、そんなことより自分が危ないので書類も拾わずに教室を飛び出た。校則違反だとかよりも噛まれた首が痛くて、正直ヴァンが怖かった。結局そのまま鞄を持って走りながら帰った。ネクタイが無かったり、家に帰るとルークがいたりすることも忘れて。流血した傷口が一日中じんじんと痛んだ。
11.11.30
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