▼隠し事


※ジェイドの話辺りからルーク逆行?
 inケテルブルグ
 ルーク独白気味


タルタロスを降りるなり視界一面に広がる銀世界。冬でも無い季節に雪を見るのは初めてだ。にしても屋敷にいた頃みたく暖かな格好でもなく腹出しスタイルなわけで、雪の冷気を直で感じた。

「…さみぃわ」







ちょっと宝箱を取るためなんかに木箱を動かしたり(結局取れなかった)、きらきらしたカジノなんかによったりしながらも皆で知事の家を探した。ジェイドは故郷のくせに道案内してくれなくて迷う俺らを見てにやにやしてやがる。むかつく。
階段を上るとでっけーホテルがあって、通り過ぎると広場でガ…子供が雪丸めて投げあってた。なんか機械も使ってるけど面白そうでガイに聞いたら雪合戦だって言ってた。今度やろうって言ったら皆から子供扱いされた。なんでだよ…



「あれなんだ?さっきのホテルなみにどーんと」
「あれが知事の家ですよ」
「きゃわ〜ん 大きいお家!」
「アニス、ここの知事は女性ですよ?」
「チッ、ざんねーん」

いつものように玉の輿を狙うアニスも寒さからか飛ぶ文句の数は少なかった。アニスも子供なんだなと思う。



***


ジェイドがネビリムさんのレプリカを作ろうとしてるのを知った。ジェイドからは口止めされたし今はそんなこと無いって言っていたけれど、ネビリムさんの話をするジェイドからはいつもと違う感じを感じた。
秘密ばらしたらお仕置き、だとか言ってたけど俺はそんなに嘘がうまくないから誰かにいいたくてそわそわしてた。ガイやティアに何か隠してるってバレてるっぽかった。それでも聞いて来なかったのは二人が優しいからだ。俺はいつも二人の優しさに甘えて自分を甘やかしている、なんて。自覚はしているけれど随分とかっこわりぃ。今夜は星が綺麗だなと柄でも無いことを思い窓に手を翳すと、手と硝子を透き通って夜空が映る。
きらきらと輝くのは星では無く雪だった。
窓辺から覗く灰色の世界は昼とは違う雰囲気があって見とれた。あとからあとから舞ってくる小さな塊は下の灰色と同化して動を示さなくなった。窓辺に沿える手の甲にぽつりとひかるたまが落ちる。窓は開かないはずなのに、どうして、こんな所に。窓の外と同じようにあとからあとから手の甲を濡らして、頬に冷たい風を呼んだ。月光を取り込んだ瞳は暗い部屋で淡く光った。





11.08.13




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