▼それは愛しさです


※ふたりべったべた
 時間軸無い
 AL


目の前には自分より赤いアッシュの髪。いつも綺麗だと思っていたが風呂上がりは一段ときらめいていて、思わず手を伸ばした。女でもないので手入れもされておらずちくちくと手を刺すが引っ掛からず下までおりた。俺の髪が長かった時期はよく家具とかに引っ掛けたものだから髪の質は劣化しているのか。ふと過ぎったことを考えながら繰り返し手を這わした。まだ水気を持つそれは持ち上げると重く、水が滴った。水が気になって両手で絞るとぼたぼたと布団と自分の手を濡らした。そこまですると我慢していたのかアッシュが前髪のかかった鋭い目を向けてきて少しどきりとした。怒っているのかと思ったがそういう訳ではないらしく彼らしい表情に笑みがこぼれる。

「照れたの?はは」
「…うるせぇ。布団が濡れんだろが」
「あ…、ごめん」
「行動に移す前に場所を確認しろよ屑」

ため息をひとつついてからアッシュは持っていたバスタオルで髪を拭いた。最後に前髪を後ろにやるとこちらを向いて俺の髪をがしがしと拭いてくれて不器用な優しさに胸が暖かくなる。今日はやけに優しい。思ったことを口にするとアッシュの手は一度止まり次に横を向いて頭を叩かれた。近くの耳が赤くなっていてやはり照れているのだとわかる。子を見る親のような気分になってよしよしと頭を撫でると手を思い切り叩かれて胸に頭突きされた。いや、頭突きではなくて頭を預けられたと言う方が正しいだろうか。突然のことに驚きはしたが彼らしくない一面に面白みの方が強く沸いてきて笑い声を漏らした。それでもアッシュは顔をあげず、彼の頭を意識した途端に心になにかかわいらしいものが沸いた。それが何だか知識の少ない俺にはわからなかったが思い付いたように髪の間にある後ろ首に唇を落とした。すると顎にぶつかりそうな勢いであげられた彼の顔が視界に入って、背景が白い天井になった。噛み付くようなキスをされて嗚呼明日はうまく動けるかななどと頭の端で考える。
アッシュ曰く敏感な俺の身体はすぐにキスに翻弄されて吐息をあげた。視界は一面赤く、おかしな光景だと目を和らげると歯茎をなぞられた。回数を重ねることで慣れた息継ぎをしながら長く長くキスをする。キスがあまりにも長く他をしないのかと思ったときにはアッシュの手は自分の開けた胸を撫でていて、俺は次はまだかと催促するように広い掌に胸を押し付けた。

「っは……レプリカのくせにどこで覚えてきたんだ…」
「は…っはあ、ぅ…なに…?」
「…」
「なんだよ…っあ、う」

急に突起を擦られ声があがる。面白がっているのか知らないがアッシュはいつも異常にそこを擦ってきて弄り倒した後は真っ赤になっていた。膨れかけのそこを口に含まれてべろりと舌でなぞられると今度こそ高い声が出る。今夜は長そうだ。自分の体力をどう保つか考えつつ近くにあった再び前髪のおりた額にキスをした。



思っていたより長く、途中で意識を飛ばしてしまったのはまた後の話。






11.07.22



戻る

TOP





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -