あかいりんごとあまいはちみつ

□ 2018/04/26 02:29 パラレルワールドでもこんにちは
「ぼくっていつもこうじゃないですか?」
「何がだ」
「世界の異点であなたとの関わりを持っているところが」
「かもしれんな」

 買い物帰り、ジョルノとディオは並んで歩いていた。背丈は頭一つ分近く違うが、二人とも同じように両腕に袋を持っている。ジョルノが小さいのではなく、ディオが大きいだけでジョルノも成人男性並の背丈はある。

「あ、そこ、変なのいるんで避けてください」

 電柱の近くをジョルノは指差すが、ディオには何も見えない。薄汚れた電柱の側には枯れた花が下を向いてそこにあるだけだったが、ジョルノには体のひしゃげた動物か、首から血を流す女か、そんなものが見えるのだろう。以前そういったものが多いと言っていた。

「この目も嫌だな。社会の闇が見えるみたいで。いつかの動物の魂持ちの世界も、皆が熊や狼の中、ぼくだけ人魚だった。息がつまって仕方がなかったな」
「あれは悪くなかった。なかなかに楽しめた」
「あなたは猫又でしたからね」

 猫又は人口の約3%だが、それでも人魚と比べたら多い方であった。
 ディオは動物になっても豊かな金の髪と鋭く整った顔で文字通りやりたい放題やって、挙げ句ジョナサンとも致して、その結果人魚のジョルノが産まれた。皆の半分も生きられぬまま水槽で死んでいったあの世界は、できることならもう体験したくない。

「世界は何巡もして、大分バグが起きているんでしょうね。性別もたまに変わりますし」
「天国はまだまだ遠いな」
「あなたまだ諦めてないなんて言いませんよね」
「どうかな」
「まぁ、今更ですよね。感覚が麻痺してるせいか、あなたとジョースターが再び闘うことがあれば、良い刺激になるかなと思ったりもします」
「今回はそうするか」
「スタンドもないのに? あなたの負けが見えてますよ」
「よく言うな」

 ディオは長い脚をジョルノの行く先に出すが、大股で避けられる。二人して涼しい顔のまま前を向き直す。こんな戯れに怒りが沸くほど、短い人生で培われた精神ではない。

「かわいい息子は当然わたしの味方だよなァ?」
「どうかな。面白ければ乗ってあげても良いですよ」
「真似をするなよ」
「遺伝子の力ですよ」

 口角をつり上げて笑うジョルノはディオによく似ている。真面目に考えるとすべて自らの不貞の結果なので、ディオは苦虫を噛み潰したような顔で、笑うな、とジョルノに言う。その様は、未だ父親には見えなかった。
  


□ 2016/03/16 16:37 キス
※相変わらずのパパと困る息子ちゃん


 隣に座っていたはずなのに、気付けば流されるように近付いて、読んでいた本も取り上げられて首筋にキスをもらっている。元々役目をしていない襟ぐりは簡単に開かれて自ら差し出しているようでもあった。
 血が欲しいのかと半ば既に諦めながらに尋ねると、返事よりも先に首筋から顎をつたって唇と唇が合わさってしまった。流石にいただけないと彼の胸を押しやり抵抗を試みる。

「…ッ、普通親子でこういうことはしないんですよ」
「そうだな」
「…………、」

 わかっていないはずがない。彼だって昔は人間であり、彼にも親がいたのだ。常識の通じない彼に何度辟易したことだろうか。
 そう考える間に今度はぼくの腰に腕を回して、反対の手でぼくの手首をまとめて捕らえ強引にしてきた。キスなんかしたことのない緩い口に舌を侵入させてくることに驚きながら、血の次は唾液を欲しがるのかなどとおかしな思考がぼくの頭を支配した。上壁を擽られることはざわざわとして気分のいいものではなかった。

 ふと単純に、侵入者を痛めつければ良いのではと思い付き、なんとか噛もうと口を無理矢理閉じかけると反対にぼくの舌に痛みが走る。よくわからない味だったものが途端に鉄の味になった。
 ざりざりと繰り返し同じ場所を擦られて彼にとっての食事になってしまったことに気がついた。
 とくにこだわりがあったわけでもなく力業で離すことができるわけでもないので、これ以上余計な傷を増やさぬようおとなしくしていることにした。嫌悪感だとか今更なことを言うつもりもない。


「はあ……」
「疲れたぞ。少しは応えてみせろ」
「知りませんよ」
 過剰分泌された唾液ともども口を拭いながらに返す。何を期待しているんだこの見境なしは。
「男も好むのは知ってますけど自分の子供にまで手を出すのは正直引きます」
「お前はわたしに似て美しいからなぁ」
「だからなんだと言うんです」
 いつの間にか背に回されていた掌で抱き込むように覆いかぶさって触れるだけのキスをされる。吐き気がするような拒絶感がないのは、この節操なしの遺伝なのかもしれない。それとも抵抗をする方が面倒だし結局意味を為さない、そういった本心の方が強いのか。おかしなこと、との認識はあるが猛拒絶をする気はないしだからといって許容できることでもない。

「キス以上はなしですよ」
「まだ何もしていないだろう」
「どう考えてもしようとしているでしょう?」
 腰を通り越して臀部を揉む手を叩きながらに言う。せめて口に出しておかないと後で何を言われるかわかったもんじゃあない。内股に手をかけられるのは背筋がひやりとする。

「殴りかからないだけでも寛容な息子だと感謝して欲しいものです」
「お前はわたしの所有物だろうが」
「……承太郎さんに言い付けますよ」
「WRY……」

 あまり頼りたくはないのだがそんなことを言っている間に大事なものを失いそうだったのでしぶしぶとヒーローの名前を出す。
 一度痛い目に合わせられたらしい彼はぼくら人間にとっての、ヒーローに大層怯えているらしかった。自分より力の弱いものを捻り潰そうとしているくせに、天敵の名前を聞いただけで縮こまる姿に乾いた笑いがもれた。

「ぬぅ……馬鹿にしおって」
「さっさと退いてください」
「フン」
 腰に手は回ったままだが妙な動きは収まり、その代わりか立派過ぎる上半身を倒してきてどっちにしろ密着することになった。
 はたから見ればどう見ても入ってるポーズだこれ、と暑苦しさあまり余計なことを考える。良く言えば激しすぎるハグだがまさかそんなことは。
 外見はどうでもよいがこの駄々をこねた子供のような親をどうにかしてくれる人はいないのかと、掠り合う耳を首を傾けて離しながらに思う。大きな掌が臀部から動かないのがまたシュールだった。
「…………あの」
「……飽きた」
「は?」
 そう言ったかと思うと勢いよく離れてぼくの頭をカウチに押し付けた。急なことに不様な声を出してしまい顔を上げる頃には彼は部屋からいなくなっており、腰から首までを強制的に捻られた微かな痛みだけが残っていた。
「何なんだ、もう…」
 緊張の糸が切れたぼくはぐたりと項垂れながら長くため息をついた。


  


□ 2016/02/13 17:23 無題
※いちようR18
 DIOジョル
 ジョルノはツンしかない  ...追記


□ 2014/04/10 13:54 無題

※おかしいアッシュを書きたかったため薬、精神障害(気違い)の表記あり
 うっすら自慰表現があるのでR15でお願いします
 どんなアッシュでも大丈夫だよって人以外は閲覧非推奨。
 鍵かかってません
  ...追記


□ 2014/02/03 19:43 無題

じゃんけんぽい。

「だぁあーっ負けた!」
「ルーク?」
「あ、わりぃ。今アッシュとじゃんけんしてたんだ」
「アッシュと?なんのために…というかよくアッシュが付き合ってくれたな」
「今夜どっちが上になるか!勝ち続きだったのに…」

開いた口が塞がらないガイを見てアニスはああやっぱりやってたんだ、と一人解決する。ルークの開いた襟元から主張が激しい跡が見えたりしていたからだ。お互いにやりあっているのは予想外だったが。

「おやおや、逢瀬宣言ですか。では今日はルークを一人部屋にしましょうか」
「まじ?ありがとなジェイド」
「いえいえ。私はガイと…」
「旦那、変なこと言わないでくれよ?ルークが勘違いする」
「冗談です。夜は静かにお願いしますね、ルーク」
「ん…?おう!」

首を傾げながらも元気よく返事したルークが御機嫌なのも束の間、急に顔をしかめて頭を抑える。そして一人でに喋り出し、それを見た皆はまた元通りに散った。騒がしくなる可能性が非常に高かったからだ。

「ってぇな、なんだよアッシュ!!え?今日は逢わない?なんで!」

たった今の会話を回線越しに聞いていたらしいアッシュから今日の逢瀬予定は無かったことにされたらしい。前からだがやかましいルークのアッシュ好きな台詞は女々しかったり雄々しかったりとよくわからなかった。

「アッシュだって会いたいくせに!え、あれ?ちょ、ちょっとアッシュ!切らないでやめてごめんなさい俺が会いたいんですアッシュー!!」



  




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