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僊ug.29
letters


ある日、郵便屋さんのフリオは人里離れた丘にひっそりと佇む家に手紙を届けに行きます
こんな所に人がいたんだと差出人不明の手紙を見つつ、宛先に着くと一人の青年が空を眺めてるんです
で、その青年に声を掛けると、フリオの手元にある手紙を見て手をさしのばします
釣られて彼に手紙を渡すと、受け取るやいなやさっきから同じ無表情で封を破り読み進めます。フリオはなんとなく目が離せずそのまま立ち尽くしたままでいます
そんな事にお構い無くさくっと読み終えた青年は少し顔をほころばせた後、また無表情に戻ります。そしてまだいるフリオにいぶかしむ事なく、今から時間があるかどうか伺います
彼の一瞬の表情の変化に驚きつつ、これが最後の配達物だったので時間なら大丈夫と答えると、それなら今から返事を書くから待っててくれないか。お茶ぐらいならだす。と家へと招かれます
そして手紙を書く青年の背中を見つつ、これまでの一連から彼を振り返り、一人で住んでるのか、相手はどんな人なのか、よっぽど大事な人なんだろうか、寂しくはないのか、と色々気になりだすんです
でも自分から聞くのも忍ばれるし、そもそもプライベートに首を突っ込むのも、と思い巡らせてると、感謝の言葉と手紙を渡されます
そこで彼はまた一人で手紙を待つのだろうかと思うと無性に、この陰りが見える青年を放っておくことが出来なくなり、配達以外の時でも此処に来る様になるのでした

そんな郵便屋さんフリオと青年クラウドの日常的な妄想が楽しいです。私得は伊達じゃないっ
余談ですが送り主は誰でもいいので深く考えてないです。(読んで下さった方はいい感じな相手を当て嵌めて頂ければ)
ただその人は一人で世界を旅してて、クラウドに留守を頼んでいるという感じ。手紙の内容は簡潔で、稀に手紙と一緒に押し花が入ってるの

フリオの同僚にはジタン。よき相談相手で、浮わついた所がないフリオに、最近付き合いが悪い所は淋しくもいい傾向だと親目線で見守ってます



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