二人の愛の結晶、と言うのはちょっぴり恥ずかしいけれど、麓介さんと私の間に子供が出来た。もう三年前の事になる。誕生日は四月三日で、予定日より三日ほど早く生まれたから少しだけ体重は少なかったけど、産むのはとても大変で、痛くて苦しくて、涙がボロボロでてきて産むのが嫌と思ってしまうほどだったのに、麓介さんが私の手を握って「がんばれ」と言ってくれたとき、ほんとうに嬉しかった。

麓介さんと、私達の赤ちゃんのために私は頑張れた。

産まれた子供は女の子。名前は、二人で考えた『優子』、優しい子に育ってほしい、と願いを込めた。麓介さんのように顔は美形で。目は麓介さん曰く私に似たらしい、とても綺麗なぱっちりお目に、髪の毛は麓介さんと私の色が混じった綺麗な優しい夕焼けより薄いオレンジ色。

そんな優子も、今年で三歳。

「おかーしゃ!」

とてとて、とまだ走りなれてない優子は転んでしまいそうなそぶりを見せつつも洗濯物を畳んでいた私に駆け寄ってきた。「どうしたの?」「おとーしゃがね!ゆーこにぷれじぇんとくれりゅってー!」「良かったね、優子」優子は嬉しそうに笑って渡しに抱きついてきた。体重も重く、力のない私はあと二年ほどで優子を抱っこできなくなってしまうかもしれない。

「優子、お父さんにお礼言った?」
「もらったらいうのー!」
「そう」

少し伸びた優子の髪の毛を、さらりさらりと触っていると、優子が少し頬を赤らめた。「眠いの?」「ううん」嘘。優子は眠くなると頬が赤く、熱くなるの。最初は病気に罹ったんじゃないか、とか言って慌てていたが、流石にもうそれはない。「じゃあ、お母さんと一緒にすこぉしだけ眠ろっか」「ゆーこ、ねむくな…い」「お母さんが眠たいの。だめ?」「…おか、しゃがねむいな、ら…」「ありがとう」

優子を抱っこして立ち上がり、ベットに向かおうとすると麓介さんが少し拗ねたように私達を見ていた。「美玖」「は、はい?」「俺も寝る。」「え、」「三人で、昼寝するぞ」


子育て

20101107
娘を書いてみたかった
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