「ま、待って…っ」

ひぃひぃと息をあげて言うデントに思わずため息をついた。余計体力を使ってしまう寄り道をしたのはそっちじゃんか、と言いたいのだが餌を求めて頑張って生きていた可哀想なポカブとカチリ重なってしまい、しょうがないから休憩することにした。時計を確認すると午後三時半頃だったから、おやつもかねようと思いアイリスを探したがどこにもいなくてもう一度ため息をつく。

「どうしたの?サトシ」
「アイリスがまぁたいなくなったんだ」
「はは、しょうがないね…」

べたりと草むらに倒れ込むように座っているデントが言っても、全然しょうがないと思ってなさそうで、まあいいかと考え直したおれはデントの隣に座った。

「デント、クッキー食べる?」
「うん、食べる!」

がばっと勢いよく起き上がるデントは、実はそんなに疲れていなかったんじゃないだろうか?まあ、もう休憩してしまっているから真実を知っても遅いのだが。受け取ったクッキーを美味しそうにモグモグ食べるデントがおれと同じくらいの年齢にみえて、思わず笑ってしまった。

「ど、どうしたの?サトシ」
「いや、な、なんでもない…ぶはっ」

吹き出すおれにおろおろし始めるデントは、とても可愛いと不覚にも思ってしまった。

20101024
クッキーエンジェル
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