Nと言う人物は、最初こそ敵だと思ったがトウヤから聞いたNの部屋、ゲーチスに利用されたと真実を感じて寂しい奴だと思った。それ以来も、別れを告げたはずと思いながらもちょくちょく遊びに来るNにため息が続く毎日。

「シンオウに行ってきたから、お土産」

そう言って渡してくる少し小さめだが綺麗な袋にはいっている何かを少し期待し、受け取り、礼を言うとNはにんまり微笑んだ。「かなめいし、って言うんだ。地下に潜って掘ったんだよ」「…なににつかえと?」「さあ。でも結構珍しいんだって。飾っておいたら?」「適当過ぎるね、相変わらず君は」

いいじゃないか、と少し開き気味に言うNにため息一回。

「そういえば、トウヤは?」
「しらないよ」
「そ、っか」

がっかりしているのだろう。しょぼんと顏をしたに向けるNに苛立ちを覚える。トウヤなんか好きにならなければよかったのに、と言いたいが言えないのが僕。

なんでこんな奴に恋なんかしてしまったのだろう。
今さら後悔してもすでに遅い。胸がじくじくと締め付けられる感覚を味わいながらも、僕はNがくれたかなめいしは一体形なのだろうか考えて、可笑しく感じて静かにこっそりと笑ってみた。


20101023
ビターショコラよりも苦い恋
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