あたしは別にあなたの事は嫌いではないよ。
好きでもないけれどね。



夕日がアナタの部屋を明るく照らす。くすりと笑いながらアナタはとても綺麗で見惚れて反応を示さないわたしを、アナタはだんだん困ったように眉間にシワを寄せ始めながらつまらなさそうにため息を一つ吐いた。まるで絵画のように。この場にずっとおさめたくなる。殺しても良いと思えるくらいに。
あなたの明るく染めて痛みが目立つ長い髪の毛がキラキラ夕日で反射して、まるで魔法のようにわたしの心を射止める。すき、だいすき。アナタは心の中で呟いたと思っていたのだが、声に出ていたみたいだ。アナタがちらりもわたしを見る。

わたしはあなたのことあいしているわ。

狂おしいこの気持ちは、愛という表現を超えしまったの。ああどうしましょう、もっとたくさん伝えたいのにわたしの声は枯れているのかヒューヒューと息を吐くことしか出来ない。アナタの綺麗な病的なほど白い指がわたしの首に絡められている。すてき、きれい。ぼんやりと考えているとじわじわと息ができなくなってきた。彼女の両腕を遮るものは、ない。わたしの腕も、ない。
「愛してるだけじゃ足りないの。あなたを殺したいの。あたしだけのものになってほしいの」
わたしの首を絞めながらアナタはボロボロ泣き始めた。まるで子供のように幼く、愛らしく。その涙を拭うこともアナタの言葉にわたしの言葉を重ねることも、できない。






20170225

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