あなたと一緒にいれたら、それだけで充分なんだよ。だって、わたしは紛れもなくあなたのことが好きなわけでありまして、この想いが伝わらなくてもいいから、せめてあと1年とちょっと、一緒に過ごしていきたいの。

どんな些細なことでもいいから、笑い合いたいし、涙を流してもいい。こんなにもわたしは、あなたが、藤くんが好きなんだよ。気がつかなくたっていいの。自己満足でいいの。

―――大好き。





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俺は誰かを好きになるとか、考えたことも意識しようとしたことすら無かったのに、いつの間にかお前に『恋』をしていたんだ。それに気がついたとき、自分はなんて幸せなんだろうか、と今更ながら自覚した。お前みたいな奴、そうそういないぞ、花巻。

花巻を好きになってから、世界が明るく、輝いて見えた…って言うのは大袈裟過ぎるが、それほど憎たらしかった世界が素晴らしいものにみえたんだ。だから、




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花巻は目を開いていた。
目の前にいる、黄色い髪の毛が目立つ藤が、信じられない言葉を発したからだ。
それは、普段の藤からは全く考えられそうにない、周りの人も聞いたらビックリするであろう、一言。

「だから、俺はお前が好きなんだ」

なにがだから、なのー?!
冷静に考えたら、大事なのはそこではないと判断できるが、今の花巻にはこれが精一杯だった。
目を限界に開いたあと、ようやく告白されたんだと気がつき、急に恥ずかしくなった。顔は赤面、目はキョロキョロと動き、口を震わせ、両手で持っているノートを力いっぱいに握り締め、いつも通りクールに自分をみている藤に、花巻は思わず逃げ出した。

「っ…!わ、わわわわたし、よ、よよ、よようじあるる、るんで、さきっ、に、帰ります…ねっ!!」
「あ、おい!」

慌てて追いかけてくる藤に、花巻は焦った。走り続けるが、あまり運動が得意ではないので、意外と足が早い藤に追い付かれそうなのだ。自分の足を初めて憎たらしいと感じる。

「追い、かけて、こないでええっ」
「やだ。俺はお前が好きなんだ、返事、まだもらってねぇ」
「〜〜〜〜〜っ!!!」

なにサラリと恥ずかしいこと言うの!!!
花巻は、自分の感情を押さえきることができず、直後に意識がなくなった。






そこはとある和室におり、布団の中で花巻は目が覚めた。

「起きたか」

横には、藤がいた。



20120402


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