返事はなかった。嫌われている身で返事なんて貰おう、なんて考えているボクが馬鹿なのだ。ポケモンはとてもオロオロしている、ボクは俯いて「バイバイ」と一言だけいい、逃げるようにトウヤくんの元から去った。 ポケモンに力を借りて城へ帰ろう、なんて考えはなくてボクはポケモンセンターに駆け込んで少しだけソファを借りることにした。ポケモンセンターの女医さんがビックリしたような目でボクを見ていたのは、きっと涙がでていたからだろう。だけどすぐに微笑んで「いいですよ」と言ってくれてた。ポケモンセンターにいる人は信頼できそうだ、と思ったがその考えをすぐに打ち消した。 ニンゲンからポケモンを開放するのは、ゲーチスやプラズマ団のみんなが望むことだ。その上に立つボクが何を迷っているのだ、ああもうこれ全てトウヤくんのせいなのだろうか。訳が判らなくなってくる、助けて、誰か、答えを教えて。 (大丈夫?) ボクに力を貸してくてれいるポケモンたちが、心配そうに言った。ボクはいつの間にか涙が止まっていた目で笑って大丈夫だよと返事をしたが、大丈夫ではないことは知っているのだろう。自らはいってくれたモンスターボールから抜け出し(そう言う風にできるよう細工した)、ボクの横にちょこんと座りだし心配そうな目で見る。 「ボクは、大丈夫だよ。キミたちが、力を貸してくれる…から」 止まったはずの涙がまた、溢れた。 涙はいつ枯れてくれるのだろうか、ボクは今一番それが知りたい。 絶望とは、柔らかい毛布である。光である。きみである。20101017 |