台本を読んでる梓さんの顔をじっと見つめる。
目を伏せているので、まつげの長さが際立ち、さらに右目の泣きぼくろが色っぽい。

今日は梓さんも私も仕事がない日なので、梓さんの部屋で思い思いのことをしている。
私はベッドに腰かけて雑誌を読んでいたけど、読み終わってしまってつまらない。

「なぁに?僕の顔になんかついてる?」
私の視線に気づいた梓さんが淡くほほえむ。

「うんん、梓さんの横顔、好きだなーって。」
特に泣きぼくろが、といって私は梓さんににじり寄りその泣きぼくろに軽く口付けた。

「僕もno nameのほくろ、いいと思うよ。」
ちょっと驚いた顔をしたかと思えば、梓さんは私の顔サイドの髪をかきあげて耳の裏をぺろっと舐める。

「っ!梓さん?!」
「ここにほくろあるの、知らなかった?」

突然で顔が赤くなる。
梓さんは色気を含んだ顔でくすりと笑った。

「まだまだno nameのほくろ、知ってるよ。」

梓さんが少し意地悪な顔で
「こことか」
といって首の付け根辺りにきつく吸い付き、
「あそことか」
といって私の手を取り手首のほくろに唇を寄せ、
「あとここも。」
といって私のスカートの端から手を入れて内腿を撫で上げた。

「no nameは僕のほくろ、どこまで知ってる?」
梓さんが私をベッドにゆっくり丁寧に押し倒しながら質問をするが、答えを聞く気はないらしい。



泣きぼくろ

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