鼻がよすぎる件について


「なー、no name、怪我してるの隠してね?no nameから血の匂いがする。」
ジープの上でゆられていると、悟空が唐突にそんなことを言い出した。

「え、それ本当ですか。怪我をしたときは僕に教えて下さいとあれほど言ったでしょう。」
遠慮はしないで下さい、と八戒がハンドルを握りながら言う。
顔は見えないけど、きっと眉を寄せているんだろう。
でも私、怪我なんかしてないんだけど…。

「怪我はしてないって。ただちょっと体調悪いだけで。」
「えー、でも絶対血の匂いするって!」
あ、思い当たるふしが無いこともないが、あまり皆の前では言いたくないな。

私の思いとは裏腹に、悟空のあの発言のせいで三蔵が無言で圧力をかけてくるし、悟浄まで「俺が触診してあげよーか」なんて言い出す。
言わざるをえない雰囲気になってしまった。

「…女の子の日なの。」
仕方なく、小さい声でぼそぼそと言う。

「あ…そうでしたか。すみません。」
ほら、車内が微妙な雰囲気になるから言いたくなかったのに…。

そんな、気まずい空気の中で悟空が
「女の子の日って?no nameはいつでも女の子だろ?」
なんてことを言う。空気よめ、マジで。

「だから、月の障りだってば。」
「つきのさわり…?」
「そう、生理。」
「…それって旨いのか?」

え、通じない?
とゆうか、もしかして知らない?

「三蔵サマ、もしかして猿に保健体育教えてねーの?」
「…教育は八戒が担当だ。」
悟浄がニヤニヤしながら三蔵をからかうと、三蔵は八戒に責任を転嫁した。
八戒は八戒で、「保健体育、盲点でした。」なんていってる。

「皆知ってるのか?ずりーよ、俺にも教えろよ!」
「そうですね、簡単に言うと月いちで女の子は出血をするんですよ。」
八戒、ざっくりしすぎでしょ。
まぁ、間違えてはないけど。

「月に一回血が出るのか?!痛そーだな。」
心配そうに私を見つめる悟空がちょっとかわいい。
「そーだね。だから、私が血の匂いさせてるときはさりげなく気遣ってね。」
「おう!」


それから、no nameに食べ物を譲る悟空を見たとか見なかったとか。


back


「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -