あいるびぃうぇいてぃんぐ
待つよ、待ってます。
帰ってきてくれないと、死にそうです。
寂しくて寂しくて、死んでもいいですか。
「……まだ戻ってこねぇのか、あいつ」
薄暗い部屋にひとり、寒くも暑くもないここでシーツを身に纏いベッドに崩れ落ちているプーチンに話しかける。
壊れたようにあいつの名前を呼ぶプーチンを、俺は抱くのだ。
喘ぐ声に交えて、あいつの名前が入るのが不愉快で不愉快で、体の至るところに鬱血を残す。
痛々しくも見えるそれはちゃんとした愛なのだ。
「戻ってきそうもないあんなやつ忘れろよ」
「……キレネンコさん、キレネンコさん、………待ってます、キレネンコさん。だってキレネンコさん……僕を好きだって言ってましたもん…」
あまりにも壊れたプーチンは儚くて、脆くて、そして、美しい。
「……あいる…びぃ…うぇいてぃんぐ…」
流れた涙がシーツに染みて、ただただプーチンをこの腕に抱き締めていた。
どこかイってしまったのはプーチンなのだ、お前こそ戻ってこいよ…!
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愛しい人は戻ってこないのだから忘れなくちゃいけないのはカンシュコフで、ずっと待ち続けているのもカンシュコフ。