とある一夜
「ひっ!」
遠くの方で聞こえる雷に過剰反応しているプーチンを横目にキレネンコは平然と雑誌を読んでいた。
そんなキレネンコに八つ当たりのように恨めしげな視線を送る。
キレネンコがプーチンを振り返ると同時に室内が一気に明るくなり、轟音が響き渡った。
今回はけっこう近くだったらしい。
とにかく無我夢中で隣のベッドに飛び乗って、キレネンコの背中に抱きつく。
「…ふぇ、怖いよぉー! キレネンコさぁん……」
ぎゅっと腕に力を込めた。
服がプーチンの涙で濡れていく。
「……プーチン、」
名前を呼ばれて顔を上げれば、キレネンコが態勢を変えて真正面から抱きかかえる。
指で涙を拭われて、プーチンはそっと目を瞑った。
寝ろ、と低い声で呟かれる。
耳を塞がれ、視界も聴覚も遮断された中でキレネンコの体温だけが感じられてプーチンはすでにまどろみかけていた。
朦朧とする意識の中で、たまになら雷もいいかもしれないなんて思った。
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シノ様へ相互文です^^^^
今日も昨日も一昨日もずっと雷が鳴っていたので、それにちなんで(?)雷に怖がるプーチンのお話を!
こんなものですいません\(^o^)/