青空


 予鈴が鳴って時間が結構たったにも関わらず、まめっちがあたりを見回してもくろまめっちの姿は見当たらない。
もう教室にはほとんどの人が着席していた。

こっそりと教室を抜け出すと廊下はまばらにしか人が居ない。
どこにくろまめっちが居るのかとまめっちは考えれば、浮かぶのは屋上。
屋上なら誰も居ないし、とまめっちは階段を上った。


 重たい扉を開けると冷たい風が顔にあたる。
やっぱりこの時期は寒いなあと思いながらもまめっちは目当ての人物を探す。
よく見れば、フェンスに寄りかかっているのがくろまめっちだと分かった。

「くろまめっち。」

近付いて声をかければ、ゆっくりと振り返ったくろまめっちがまめっちを見て、目を見開く。

「まめっち、授業は?」
「え? 教室にあなたが居なかったから迎えに来たんですけど…」

そうまめっちが言った直後に本鈴がむなしくも鳴った。

「おいっ、いいのか?」

くろまめっちが慌てた様子でそう尋ねるがまめっちは首を振る。

「いいんです。なんだか今はこうやって居たい気分なんです。」

微笑みながらまめっちは言い、くろまめっちの隣に座る。
くろまめっちもコンクリートに座りこんだ。

「空が青いですねー…」

青い空、だけれどもなんだか悲しい色をしている気がしなくもないとくろまめっちは頷く。
雲が少しづつ動くのと同じで時間も刻々と過ぎていく中、突然まめっちは口を開いた。

「僕が、あなたのことを好きだと言ったら、あなたは嫌いになりますか?」

急な質問にくろまめっちは一瞬言葉を失う。
好きだとか嫌いだとかそれはどういう意味なのか。

「いい、です。やっぱり。変なこと聞いちゃってすみません。」

まめっちは慌てて笑顔で話を切り替えようしていた。
(泣きそうな顔でそんなことを言われても)
なんだか無性にまめっちを抱きしめたい気持ちにかられ、そっと腕の中におさめる。
最初は身じろぐまめっちだったが大人しくなった。

「空が、青いです」

見えるはずないのにまめっちは呟き、ぎゅっとくろまめっちの背中に手を回してきた。

「ああ、そうだな。」

腕に力を込めれば、青い気持ちが赤い気持ちに変わる気がした。





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なんだ赤い気持ちって
愛情だよ>(Д)




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