風鈴



 電話が鳴る音がした後、ピと電子音がする。

「もしもし、佐久間? どうしたの? ……うん…」

笑顔で話す健二さんに胸が焦がれた。
佐久間ってあの時の、ラブマシーンと一緒に戦った人か、と思う。
それから嫉妬心が芽生えた。
あんな笑顔で。

「うん……、よろしく。…ん、じゃあ。」

携帯を閉じ、健二さんはまた宿題に戻るけれど楽しそうに顔をほころばせていた。
……いらいらする。

「あ、佳主馬くん。そういえばさ、」

じろりと半ば睨むように健二さんを見る。
八つ当たりしているみたいで自分でもかっこわるいと思った。

「…何。」

声が低くなってしまう。
健二さんはたじろいぎ、小声で呟くように言う。

「え、と…いや……明日、一緒に買い物行ってくれないかなあって…」

無理だよね、と健二さんは苦笑しながら付け加える。

「行く。絶対行く。」

黒ずんだ気持ちもどこかに吹っ飛び、一気に沈んでいた心が浮上してきた。
買い物、つまりデートってうけとってもいいんだよね、と心中で勝手に納得する。

「そう? ありがとう」

微笑んで健二さんはお礼を言う。
むしろお礼を言うのはこっちだと思いつつ、にやける頬を抑えた。





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サクケンも好きなんだ!!




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