歪夢



「失礼します。こんにちは、せんせ……あれ?」

 ノックと共に扉を開ける。
いつもどおりの片付けられていない部屋。
でも肝心の先生がいない。
机の上には湯気がたつ飲みかけのコーヒーが置いてあった。
まだ温かい、ということは出ていったばかりだ。
(すぐ帰ってくるかな。)
ソファーにちょこんと座る。

「まだかな…。先生……」

窓からそそぐ暖かな日差し、コーヒーの香り。
だんだんと眠気に誘われて、目を閉じた。


 一面、真っ暗なのに人の姿ははっきりとしていた。
前には先生とレミさん。
腕を絡めて寄り添うレミさんに心がモヤッとする。
嫉妬、だ。
醜いと思いつつもこの気持ちを押さえることは出来ない。
走って、先生たちに追いついた。

「っ先生…!」

呼べば二人とも振り返ってくれる。
だけれど表情は不自然に暗くて見えない。
何か言う前に先生は僕の肩に手を置いた。

「ルーク、すまない。やはり私は、」

その先を聞く前に、僕は無意識に耳をふさいでいた。
嫌だ、と何度も言葉を吐き出す。

「嫌だ…。嫌。…先生っ!」
「…ルーク!」

体がびくりと大きく揺れた。
目の前は闇じゃなくて、いつもの部屋と先生の心配したような顔。
夢で良かった、と思うのと夢が良かった、と思った。
先生と出会ったこともすべて、夢だったら。
そうしたら、

「先生にも迷惑かけることもなかったのに」

小さく呟いた言葉は空気にとける。
先生の今の現状とは違う未来を頭に描き、目頭が熱くなった。
先生は優しい声色で大丈夫かと僕に問う。
首を振り、にこりと作った笑顔を浮かべる。
なんでもありませんと吐いた言葉は妙に自然に口からもれた。







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え、なんで病んでるのルーク
だがそんなルークが好きだ(ry



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