湯けむり大事件



 僕と先生はある事件を解くため、温泉が有名なこの町にきました。
だけれどこの事件がある事件を招いてしまったのです……。




 先生への以来でやってきた温泉地。
すぐ解決してしまったけれどせっかく来たから先生が温泉に行こうって。


「ふいー…。」

お湯の温度が丁度良くて気持ちいい。
頭にタオルをのせて、岩に寄りかかる。

「ルーク、こっちおいで。」

先生の声に立ちあがり、そちらに行く。

「なんですか? 先生」

鏡の前の椅子に座っていた先生に尋ねれば、にっこりと笑っていた。

「頭を洗ってあげよう。」

前へおいでと先生は手招きする。
だけれどもそんなこと恥ずかしく、出来ない。
それに僕はもう子供じゃない。

「いいですよ! あっ、先生の背中流します!」

先生の返事も待たず、後ろに回り込みタオルを泡立てる。
ごしごしと広い背中を擦った。
頼りがいのある背、いつも守ってくれる。
ぼうと見惚れていて、手が動いていない僕を不審に思った先生がくるりと振り返った。

「ルーク…っ!?」

先生のびっくりしたような声と同時にいきなり後ろから抱きすくめられた。

「ひぃっ…!」

素肌に冷たい指が這う。
首筋に生温かい感触、キスされた。
とにかく逃れようと暴れる。

「かわいいなあ、ルーク…」

声からしてクラウスさんだとわかった。

「や、やめてくだっさ…い! っあ、く…すぐったっ…」

指がいろいろなところを滑るからすごく、くすぐったい。
やめてというのにクラウスさんの好意は激しくなる一方で。

「…クラウス。」

いつもより数段低い先生の声にびくりと体が揺れる。
それはクラウスさんも同じのようで、ぴたりと手を止めた。

「なんでしょうか、先生。」

僕を腕に抱いたままクラウスさんは先生に尋ねる。
必死に逃げようとするけれど力が強くて無理だ。

先生は僕を一瞥して。

「ルークが嫌がっているだろう、離しなさい。それにルークは私の、だ。」

どきりと胸が高鳴った。
いつになく先生は強い口調で言う。

「……嫌だと言ったら?」

頭上からクラウスさんがそう言うのが聞こえた。
それは僕が困ります、と言おうとするけれど先生の言葉に遮られる。

「別に、ただ奪い返すだけだ。」

ぐいと腕を引っ張られ先生の胸に引き寄せられる。
先生の表情を見ようとしたけれど、よく見えなかった。

「やれやれ。冗談ですよ。……では僕はお暇します。ルークくん、ばいばい。」

先生の力が少し緩む。
振り返ってクラウスさんを見れば本当に去って行ったようだった。
ほっとして先生を見れば、なんだか少し怒っているようで。

「せんせ……?」

不安になりつつ、先生を見上げる。
頬を先生の手で撫でられた。

「自分自身に怒っているんだよ、ルーク。君を触られてしまったから。」

先生は涼しい顔で言ってのけるけど、すごく恥ずかしい。
相槌も出来なくて、ただ俯いていれば先生はどさくさにまぎれて僕の頭を洗い出した。









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事件関係ない、と書き終わった時点でちゃんと理解していたらしい。
せめて題名変えれよ自分!
甘甘はここまでで、2以降はギャグ路線ですb




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