謎解きよりも難しいこと



 明らかに先生は何か悩んでいる。
それなのに僕には何も相談してくれない。
尋ねても上手くかわされてしまう。
もしかして先生にかぎって謎が解けないのは…、あり得ないと思う。
そしたら、後悔?
僕と付き合ったこと後悔していますか、先生。





 なんだか、ルークの態度が遠慮がちだった。
落ち込んでいるように見える。
けれど理由はわからない。

もしかしてお母さんと離れてしまって寂しいんじゃないかと思った。
やっぱりルークを側に置いてしまったのは間違いだったのかもしれない。
謎が解けても、現状の正解を導きださなければこの頭もあまり意味がない。

はあと溜め息をうっかり漏らしてしまえば、ルークが恐る恐るといった感じで話しかけてくる。

「後悔してますか。先生…」

泣きそうな顔でそう問うルークの瞳は不安の色に染まっていた。
後悔、といえばそうかもしれない。
自分のことを最優先にしてしまい、ルークのこれからのことを後回しにしてしまったのだ。

ルークの体をそっと抱き寄せ、耳元ですまないと答える。
ぎゅっと背中に腕がまわり、幼い力で抱きしめ返された。





 やっぱり、と胸が苦しくなった。
ごめんなさいと心の中で謝る。
でもね、先生。

「僕、幸せです。先生とずっと一緒で」

これが今のところの僕の答えだと思う。
先生は久しぶりに笑ってくれた。
それから頭を撫でてくれる。

「そうだね、ごめんよ。私も君とずっと一緒に居られるだけで幸せだ。」

ぎゅっと先生の腕に力がこもる。
それから唇に温もりを感じた。

「……だめだ、我慢できなくなってしまう。」

離れる先生に首を傾ける。
なんで離れちゃうのだろうと目を瞬かせた。

先生は少しばつの悪そうな顔をした後、僕の額に口づけた。









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視点が交互にかわってます
ルークかわいいよルーク





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