いやです。
※最後の時間旅行ネタばれ有り
「離れたくありません……先生。」
ぼろぼろと涙がこぼれおちる。
「いやです。やっぱり……。僕、お母様に言います。」
「それは賢明な判断じゃないな。ルーク、君もわかっているだろう?」
先生の優しい手が、指が涙を拭う。
その手を両手で包み込んだ。
温かくて頼りになる手。
どんなに謎が解けても、この気持ちは解けない。
でも、わかります。
「先生、好きです。…好きなんです。だから、側にいたい……」
優しい先生のことだからきっと僕をこっぴどくは振れないだろうけれど。
嫌なら嫌だって、言って欲しい。
ふと先生は僕の手を静かに優しく払った。
「ルーク! 行きますよ。」
お母様が後ろから呼ぶ声がした。
けれどもこの場から動けない自分がいた。
それだけこの気持ちは強い。
「先生…、先生。好きです。」
好きです、大好きです。
だから嫌です、お別れなんて。
先生の手が僕の頭を撫でる。
見上げれば、先生の辛そうな顔が目に入った。
先生を困らせてしまっている。
「……困ったな。私は立場上、君を手放さなくてはいけないというのに。でも、君の悲しそうな顔を見るぐらいなら。ルーク、私も君の事が好きだよ。だから、行かなくていい。…これからも、私の助手として側に居てくるかな。」
思わず目を見開いてしまう。
けれども言葉の意味に胸が高鳴った。
「側に居てもいいんですか…?」
「ああ、…間違えたね。助手じゃなく、恋人として。」
先生は微笑みながらぎゅっと僕を抱きしめてくれた。
お母様ごめんなさい。
でも嫌なものは嫌です。
僕はずっと先生の側に居ます。
「先生、好きです。」
お礼にうんと背伸びをして先生の頬にキスをした。
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本当は、
「先生、お別れですね…」
「ああ、ルーク。キミとの旅は、いつも楽しかったよ」
「…ぅえ…くっ…」
「ルーク。人前で、泣くものではないよ。英国紳士としてはね」
「ボ、ボクは。まだ英国紳士じゃありませんよ!」
で、お別れですがそんなのはレイルーじゃないということで同棲\(^o^)/