ドsとツンデレ



「聖夜……」
「ひぇッ!?や、やめろっ」

隙あらばいつでもどこでも(本当ーにどこでも)距離を詰めてキスしようとしてくる同居人の秋彦さん。
線は細いくせに背ぇ高くて、壁に追いやられて見下ろされれば逃れる術なんて蹴りを入れることくらいしかないわけで。

「痛っ…」
「ははー!そっ、そんないつでも俺がされるがままになると思うなよ!ふーんだっ」
「聖夜…」

いっつもこんな感じだけど、俺と秋彦さんは実は恋人同士だったりする。



ドsとツンデレ



秋彦さんはどっかの会社の社長をやってるとかですげーマンションに住んでいる。都内一等地のバカでかいマンションの最上階フロア全てが秋彦さんの住まいとか、平々凡々な俺にとってはレベルが違い過ぎて笑いしか出てこねぇ。

いつも仕事で忙しい秋彦さんにしては珍しく今日明日がオフということなので、今日はお泊りセット一式持参して朝まで飲み明かすことになった。

「聖夜、ちょっと飲み過ぎじゃないのか」
「あぁ〜ん?だぁいじょぶだいじょーぶー」
「無理するな」
「ヒック、なんだよいつもヘンなクスリとか飲ませようとしてくんのはアンタだろ〜がぁ〜…おかわりッ!」

はぁ、と分かりやすくため息をつく秋彦さんを無視して空になったワイングラスを上に掲げてから、ん〜と手を伸ばして秋彦さんの隣にあるワインを手にとりそのまま口を付け一気に喉へ流し込む。

「んっんっん」
「おいこら聖夜、」

こちらに手を伸ばしてくる秋彦さんをサッと避けてまたワインを飲もうと掲げた手は、自分の口ではなく顔の横にあった。
分かりやすく説明するとつまり、

「あぁもうだから言わんこっちゃない…」

赤ワインが俺の白いポロシャツに盛大な染みを作っていた。
そして、取り立てて慌てる風でもなく零れたワインを拭きにかかった秋彦さんの顔には、明らかに何か閃いたような表情が浮かんでいた。



「よし、じゃあ聖夜、風呂に入ろうか」
「え、なん」
「一本三百万円のワインを無駄にされたんだ、風呂にくらい一緒に入ってもバチは当たらないだろう?」

静かに口を三日月型に上げた秋彦さんのその顔があまりに意気揚々としていて、俺は首を縦に振る以外の選択肢が無いことを一瞬で悟った。



* * *



「ほーら…自分で中弄って、よくほぐすんだ」
「あッ、んん…!」

風呂場のじめじめと湿った密室の中、自分で尻穴を弄るぐちゅぐちゅとした卑猥な水音と時折我慢してても漏れ出てしまう喘ぎ声が大きく響く。
俺は風呂場の壁に手をつけ立っている状態で、後ろのイスに座っている秋彦さんに見せ付けるようにして二本の指でそのすぼまった部分を掻き回していた。

「…ん……ふうン…!ぁ、」
「気持ち良いか?ん?はしたないな聖夜は…もうココだけで気持ち良くなれるようになって…」

じっとり熱の篭った低い声で囁かれながら、彼のひんやりとした手が俺の胸をまさぐり始めた。ぷつりと勃起した乳首を指で器用にこねくり回され、ちょんと弾くように摘まれれば意に反して甲高い声が上がってしまう。

「あ、あッ…!」
「どうした、手が止まっているぞ」

そのまま耳穴をねぶられ、後ろに秋彦さんの硬く張り詰めたモノを擦りつけられる。

「んっ」
「ほら、これが欲しくないのか」

いつもならそんな風に聞かれても恥ずかし過ぎて「欲しくない!」とか言って場を白けさせてしまう俺なのだけど、今日はワインでぐでんぐでんになっている所為で脳みそが全く働かない。
快楽しか頭に浮かばなくて、今俺の尻に当たっている硬くてでかいチンポを早く挿れて欲しくて。後ろでキモチよくなりたくて。

知らぬ内に腰をゆさゆさ振って秋彦さんのペニスを尻に擦り付けながら、だらしなく涎を垂らして俺は「はやく……」と口走っていた。


「ご褒美だ」



* * *



「あっ!ああッ…!」
「くっ…ふ」

ボディソープをローション代わりにして、ぬるぬるになったソコにずっぽり秋彦さんのちんこを挿れられた。急に増す中の異物感があまりに心地好くて…気持ち良くて…俺は我を忘れて腰を揺らした。

「…んぁ…、あっやっ…気持ちい…あっあ…」
「…っ」

まるで女の子みたいにあんあん喘いだりして。いつもこんなに声出したりしないのに、今日の俺は精神が女になったみたいに喘ぎまくっちゃってる。
けれど今の俺は通常運転の俺ではない。完全にアルコールによって理性が綻んでいるので、そんなことより何よりもっともっと気持ち良くなりたいと、それしか本当に考えられなかった。

「あっ…ん!あッあああッ!」
「…ここか…?」

ある一点を掠めた途端迫り上がった喘ぎに気を良くした秋彦さんがソコばかりぐりぐりと刺激するものだから、頭の中が真っ白になって……息をするのも忘れて腰を振った。

「あっあっ…あ…ん!」



* * *



「…起きたか」

目が覚めると目の前には秋彦さん。それを確認すると同時に襲い掛かってくる頭痛と腰痛。

「…痛っ」
「安静にしていろ、何か食うか」

心配そうな眼差しにふんと鼻を鳴らしてやれば、秋彦さんは困ったように笑って俺の髪をくしゃりと撫でた。

「昨日、可愛かったぞ」
「〜…ッ!?」



---fin---



ドsもツンデレも足りない不思議…
うちのサイトではあまりお尻をいじらせることが無かったので新鮮で楽しく書けました!少しでもご期待に添えられてればいいのですが…(´;ω;`)
ちゃき様、リクエストありがとうございました!



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