変態鬼畜プレイ





同僚の里中先生はゲイであると、一部の人の間で噂になったことがある。なんでも白衣装備の細身敬語キャラは絶対鬼畜攻めなんだそうだ。よく分からないが俺が受け持っているクラスの女子がそう騒いでいた。里中先生、見た目は悪くないからか、ゲイだから気持ち悪いよねーとかではなくえらい楽しそうにきゃっきゃきゃっきゃそうやって女子が話していた。

だからってわけではないがその実俺も、里中先生に関しては得体の知れない人だなぁと少しだけ興味があったりもする。
いつ探しても職員室で見かけないなぁと思っていたら、あの人は自分のテリトリーである化学準備室にいつも篭りきりだそうで、なんだかよく分からない人だなぁなんて、気にならないこともないこともない、くらいには思っていた。



変態鬼畜プレイ



「あ、今日初めてですね?」

季節は春休みに入り、運動部の生徒が校庭でやんややんや頑張っている声以外はさして五月蝿くもない校舎の中。というか職員用のトイレで、というか俺まさに今から用足しますよってとこなんだけど。
なんつータイミングで声かけてくるんだ、里中先生。

「あ〜…はは、そっすねぇ」

苦笑いながら視線を下にさげる。これが他の先生との会話なら、特別気にすることもなくさっさと用足してはいおしまい、なんだけど。
あのゲイ疑惑を聞いたせいなのか、それとも俺の様子を知ってか知らずか隣に立ったままじっとこちらを見てるっぽい里中先生からの視線があまりにも不自然だからなのか……俺はなんでかちんこを出すのに躊躇っていた。

「あれ?されないんですか?」

チャックに手をかけたまま一時停止してる俺を、さも不思議そうに覗き込まれる。

「や〜…はは、今し終わったところなんで〜…」

いたたまれない。この状況で普通に用が足せる程頑丈な精神は持ち合わせていないらしい。
だから苦し紛れの嘘を口に乗せて、へらへらっと後退ろうとした。ら、

「嘘でしょ?笹塚センセ」

何故か俺の手首をかしっと掴んだ里中先生は、そう楽しそうに微笑んだ。



* * *



「ほら…我慢してるんじゃないんですか…?」
「やっ…え、な、…ちょっ…!」

説明しよう。今俺は、春休み中の職員用のトイレの一番奥の個室で、下着まで降ろされ俺のオレを後ろから握りこまれながら耳元でそんな風に囁かれているのだ……って呑気に説明してる場合じゃないだろこの状況。

「…ちょっ…、待っ…ほんっ…里中先生っ…」
「大丈夫ですよ?私以外の誰にも見られてませんから…あまり我慢するとよくありません。さぁ早く……」

そのままちゅ、と耳に唇の生暖かい感触。何一つ大丈夫なんかじゃないだろこれ。そりゃあ個室に入ってんだから見られはしないだろうけど、この会話聞かれた時点でアウトだ。っつかいや今更……

「んっ……ぁ、」

里中先生はそのまま耳穴をまさぐって、今度は俺の愚息を上下に擦り始めた。
恥ずかしながら他人に触られるのがとんと久しぶりだった俺の息子は、こんな非現実的な状況だというのに欲望に忠実らしい。すぐさま質量を増して、後ろで里中先生が嬉しそうにする気配を感じた。

「っふ、…笹塚先生のペニス、大きくなりましたね」
「いっ…言わないで…下さいよ」

いやいや何照れてんだ俺!
いつしか尿意よりも射精感が強まっていくはしたない俺の下半身は、今やギンギンに反り立ってふるふると涙を零している。
抵抗したいのに、しなければならないのに、この異様な雰囲気にのまれ下半身に走る素直な快感を味わってしまえば、うまく体が動かない。

あー…まずい、出そう。でもこれはまずい。何がまずいって黄色い何かも出そうだからだ…!

「や、やばいです里中先生…」
「はい?」
「あ〜…どっちが先に出るか分かんない…で、す…」
「…ふふ」

いや何の報告だよ俺!
そうはいっても男のカラダ。情けないことに目の前にある快楽に簡単には勝てないものなのだ。…ってもう開き直ってますよ、そうですよ。

「はぁ…笹塚先生のペニス、こんなに苦しそうに…」

果てしなく切なそうに卑猥な言葉を放たれ、あぁもうこの人は本当に…!とか思っていたら、やや強引に体を引っ張られてとすんと便器に座らせられた。

「な、何するおつもりですか…?」

膝をつきごきゅりと喉を鳴らしている目の前の白衣の男は、ふわりと優しく笑って慣れた風に俺のそこに口を近付ける。

「んふっ…んっ…ん」
「…ぁ、……〜!」


おおよそ男性の口とは思えない華麗なテクニックで、見事に俺は玉砕した。何にってそれは、大切な何かを失ってしまったからである。
溜まっていた二種類のそれらを吐き出した俺は、心の底からスッキリしたと同時に心の底から後悔の念に苛まれていた。
や、だってこの人…全部飲みやがった。有り得ないだろう。途端に訪れる賢者タイムによって冷えに冷えきった俺の頭は、はっきりと事の重大さを認識していた。

「え〜…え…と、里中先生…?」

くたりと便器に座ったまま、トイレットペーパーで口の端を神経質そうに拭いている里中先生を見下ろす。

「精子だけでなく尿まで出してしまうなんて…笹塚先生、おとなしそうな顔して大胆ですね」
「な"……す、すみません…」

いえいえ、とさほど気にしてなさそうな声の主は、いきなりカチャカチャと自分のスラックスに手をかけ前を寛げ始めた。

「…笹塚せんせ、」

嫌な予感ほど的中すると決まっている。貴方のせいですよなんて言いながら半ば無理矢理に捩込まれた里中先生のイチモツは驚く程硬く張り詰めていて、俺がえずくのもお構いなしに喉の奥までガンガン突っ込まれて。

「ん"んっ…!ん"〜!」
「っは…、はぁ…気持ちいい…」

これって強姦っていうんじゃないだろうか、とか。
でも俺だって本気で抵抗しようと思えば出来たはずだしな、とか。
頭の中では冷静に色々考えを巡らせてはいるのに、実際抵抗することもなく人生初のフェラチオ(というか俺はほぼ口を開いてるだけなのでイラマチオと呼ぶべきか)を享受している。なんでだ。

「ん"ッ…んん…〜っ!」
「はっ…は、…ん」

前後運動が激しさを増す。それはつまり、俺の口内をまるで女のアレの如くガンガン犯されてるってことで。引っ切り無しに抜き挿しされるそれに歯が当たらないようにするだけで俺は精一杯だった。
里中先生の苦しそうな声が、俺達の結合部分から放たれる水音と共にいやらしくトイレに響く。

「はっ…はっ…、飲んで、下さいね……」
「ん"〜…?!ん"んんっ…!」

後頭部をがしりと抑え付けられて、どくどく溢れてくる粘っこい液体が否応なしに喉に注ぎ込まれる。

「ん"っ…は、…っ、うぇ」

漸く解放された口元を手で擦りながら、涙目で里中先生を見上げる。

「すみません…ここまでするつもりは…」

眉を下げた端正な顔が、さも申し訳なさそうにこちらを見下ろしていた。

「え〜…っと、」
「笹塚先生」

まいったな、とでもいうように後ろ頭をがしがしかきながら苦笑う。こんな時、どんな顔をすればいいのか分からない。

「またいずれ」

俺の心境を悟ったのかなんなのか…里中先生はスマートな所作でそんな言葉を残し綺麗にひとつ笑って、個室を後にする。

「あ…、はい…」

なんて気の抜けた返事。つか返事しちゃったよおい。
半分放心状態で頭の中が整理できないまま、とりあえず俺はもそもそと下着を穿いた。



---fin---



あれ?鬼畜要素…あれ?(;^ω^)私の中では変態鬼畜…変態鬼畜…鬼畜…と思いながら書いたのですが、変態ぽくて満足してます。ご要望にそえられていればいいのですが…!
リクエストありがとうございました!



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